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1987 年度 実績報告書

新規環構築法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 62470019
研究機関東京工業大学

研究代表者

桑嶋 功  東京工業大学, 理学部, 教授 (50016086)

研究分担者 占部 弘和  東京工業大学, 理学部, 助手 (10176745)
キーワード共役付加 / 3ー(シリルメチル)シクロアルケノン / 一炭素環拡大反応 / 2ー(シリルメチル)シクロアルカノン
研究概要

1)環構築の為の重要な手段として, 不飽和エステルへの共役付加反応について検討した. その結果, 塩化トリメチルシランと銅トリメチルシリルアセチリドを併用することにより反応が著しく促進され, 従来極めて困難であった環状不飽和エステルへの共役付加も収率良く進行するなど, 目的とする側鎖の導入に当たって極めて有効であることを明らかにした.
2)各種の環状炭素骨格の構築に当たって, 3ー(シリルメチル)シクロアルケノンは極めて有用であることを既に示した. この形式の化合物の一般的合成法を確立する目的でシクロアルカンー1, 3ージオンを出発物質とし, そのシリル体及びブロモ体を用いてシリルメチル基の各々1,2ー付加及び共役付加反応を経て目的とする3ー(シリルメチル)シクロアルケノンが好収率で得られることを明らかにした. 尚, この方法を利用すれば, 環上に各種の置換基をもつ基質の合成が可能であり, その応用として, 強い薬理活性を示し, 且つ合成的にも極めて興味あるタキサン誘導体の炭素骨格構築について検討を加えている.
3)環状化合物の一炭素環拡大反応は重要な合成手法であるが, 環のサイズ等による影響が大きく, 一般的方法としてはまだ確立されていない. 我々は, ケイ素原子の特徴を活用して, 1ー(シリルメチル)シクロアルカンカルバルデヒドを各種のアルミニウム触媒と処理することにより目的とする環拡大反応が進行し, 対応する2ー(シリルメチル)シクロアルカノンが高収率で得られることを明らかにした. また, 同様な反応をアルミニウムの代わりに触媒量のシリルトリフラートを用いてシリルエーテルの存在下で行うとやはり一炭素環拡大反応が進行するが, この場合にはシリル基の脱離を伴って2ーアルコキシメチレンシクロアルカンが選択的に得られる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Tanino: Chemistry Letters. 385-388 (1987)

  • [文献書誌] R.Matsuoka: Tetrahedron Letters. 28. 1299-1302 (1987)

  • [文献書誌] K.Takanishi: Tetrahedron Letters. 28. 2281-2284 (1987)

  • [文献書誌] H.Sakata: Tetrahedron Letters. 28. 5719-5722 (1987)

  • [文献書誌] E.Nakamura: J.Am.Chem.Soc.109. 8056-8066 (1987)

  • [文献書誌] K.Tanino: Tetrahedron Letters. (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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