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1988 年度 実績報告書

初期埋没続成過程における有機物の分解・熟成と自主鉱物の生成に関する堆積学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62470045
研究機関東京大学

研究代表者

多田 隆治  東京大学, 理学部, 助手 (30143366)

研究分担者 角和 善隆  東京大学, 教養学部, 助手 (70124667)
渡辺 芳夫  東京大学, 理学部, 助手 (70182962)
歌田 実  東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (50012406)
飯島 東  東京大学, 理学部, 教授 (90011501)
松本 良  東京大学, 理学部, 講師 (40011762)
キーワード珪質岩 / 生物源シリカ / 有機炭素 / 続成作用 / 因子分析
研究概要

前年度の行なった北日本新第三系珪質岩の化学、鉱物組成分析、堆積構造、生痕化石に基づく底層水の還元度の推定等の結果をもとに、珪質岩中の有機物量を規制する要因について検討を行なった。その結果、
1.珪質岩中の有機物の大部分は珪藻起源と考えられる事
2.(1)生物源シリカ含有量が高い程、(2)砕屑物粒度が細粒な程、(3)生痕がなく、平行葉理の保存が良い程有機物量が多くなる傾向がある事、
が明らかにされた。生物源シリカ含有量が高い事は海水表層部における生物生産性の高さを、砕屑物が細粒である事は砕屑物堆積速度が遅い事あるいは沖合の環境を平行葉理の保存度が良い事は堆積時における還元的な底層水を各々反映していると考えられる。これらの要因は互いに独立ではなく、例えば表層水における高い生物生産性および沖合の深まりの様な環境は還元的な底層水を生む要因でもあったと考えられる。
次に珪質岩中における諸元素の挙動と有機物の関係を調べるために因子分析を行なった。その結果、第1因子としてSi、Org-C、Cu、Ni、Znが、第2因子としてCO、CU、Ni、Zn、Rbなどが、第3因子としてAl、Ti、Ca、Na、Kが、第4因子としてCarb-C、Mg、Fe、Mn、K、Pが得られた。第1因子のCu、Ni、Znは海水中でbiological cycleにとり込まれる元素として知られ、初生的に有機物と共に挙動したものと考えられる。一方、第2因子は、Mo、U、葉理の保存度と正の相関を、砕屑物粒度と負の相関を示す事から堆積速度や底層水の環境と関係し、続成初期に海水から取り込まれた可能性が高い。第3因子は砕屑物に対応すると考えられる。第4因子は炭酸塩鉱物に対応すると考えられ、やはり初期続成過程での元素の挙動を示していると思われる。
この様に、有機物量の制御要因、初期続成過程での元素の挙動がある程度明らかになった。更に詳細にせまるため、今年度、秋田県五城目において詳細なサンプリングを行い、現在分析中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 多田隆治,渡辺芳夫: 石油技術協会誌.

  • [文献書誌] Watanabe,Y.;Tada,R.;Iijima,A.: Journal of the Faculty of Science,the University of Tokyo,Sec.II.

  • [文献書誌] Matsumoto,R.,Gibling,M.: Inifial Report of the Lost Ocean Expedition to Himalaya.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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