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1988 年度 実績報告書

CaOーSiO_2ーH_2O系における含水カルシウム珪酸塩の結晶構造とその生成反応

研究課題

研究課題/領域番号 62470050
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

光田 武  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (40024195)

研究分担者 虎谷 秀穂  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20143662)
キーワードカルシウム珪酸塩 / 合成 / NMR / ヒレブランダイト / 水和 / CーSーH
研究概要

通常、βーCa_2SiO_5はライムとシリカに安定化剤を添加して、1400℃以上の固相反応で合成される。本研究は200ー250℃の水熱反応で合成したけい酸カルシウム水和物[hillebrandite Ca_2(SiO_3)(OH)_2]を600ー1000℃で加熱分解することにより微粉末の、しかも常温で安定なβーC_2Sを合成することを目標に行った。即ち、水熱合成と低温焼成のプロセッシングを経て合成した超微粉末のβーCa_2SiO_5と、その水和機構並びに水和生成物CーSーHについて結晶化学的研究を行うものである。
Ca_2SiO_5組成のけい酸カルシウム水和物はhillebranditeの他にdellaite[Ca_6(Si_2O_7)(SiO_4)(OH)_2]、αーdicalcium silicate hydrate[Ca_2(SiO_4H)(OH)]の3物質が知られている。このうち通常の工業的なオートクレーブ処理(270℃以下)が可能で、しかも低温の加熱処理(1000℃以下)で水和物よりβーCa_2SiO_5に直接分解する物質はhillebranditeである。本研究では、1)hillebranditeの合成条件、2)加熱分解温度とβーCa_2SiO_5の格子定数、結晶子径、比表面積、3)hillebranditeの加熱分解と生成相の結晶学的な方位関係、4)βーCa_2SiO_5の水和(カロリメトリー、水和速度)、5)CーSーHの形態と組成(電顕分析)、6)CーSーHのシリケートアニオン構造(NMR分析)等について研究し次の成果を得た。
(1)200ー250℃の水熱処理で、けい酸カルシウム水和物、hillebranbdite(繊維状)が合成可能である。
(2)hillebran-diteは600ー1000℃の加熱により、室温で安定なβーCa_2SiO_5に分解する。両結晶の形態と結晶学的な方位関係は一致する。
(3)βーCa_2SiO_5は比表面積6ー2m^2/g、結晶子径290ー720Aの超微粉末である。
(4)βーCa_2SiO_5(20℃)は2ー12週で完全水和する。
(5)CーSーHは、ダイマー(Si_2O_7)と短い単鎖シリケートアニオン(SiO_3)の混合体よりなる。Ca/Si組成比は、従来の報告値より高い。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 光田武: セメント技術年報. 41. 9-17 (1987)

  • [文献書誌] 光田武: Advanced Characterization Techniques for Ceramics.1988.1988. 1-8 (1989)

  • [文献書誌] 光田武: 石膏と石灰. 214. 3-14 (1988)

  • [文献書誌] 光田武: セラミックス. 23. 748-752 (1988)

  • [文献書誌] 光田武: J.Am.Ceramic Soc.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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