研究概要 |
1.バイデライトの鉱物学的性質:バイデライトは二八面体型スメクタイトの1種で, 多産する同属中のモンモリロナイトより膨潤性が小さく, また産出例のまれな鉱物として知られている. 長野県山ノ内町角間にある佐野鉱山(ろう石鉱山)の変質帯には産状を異にするバイデライトを産出する. 産状は(1)脈状,(2)斑点状,(3)塊状,(4)粘土状の4種で, 夫々の試料について化学分析,X線回析,示差熱分析, 電子顕微鏡で検討した. 電顕観察では, 試料(3)は短冊状でこの鉱物特有の形状を示すが他は不規則板状である. X線回析による膨張性は4試料ともほぼ同様で底面間隔は風乾(層間イオンMg)14.7〜15.0 2.ナンモリロナイトの水熱変化:日本産モンモリロナイト(山形県月布, 新潟県小戸産)の層間陽イオンをアルカリ, アルカリ土類および遷移金属で置換し, 350〜600℃, 水圧1Kb, 7〜21日間水熱処理し, その相変化の様子を検討した. 結果は温度の上昇に伴いモンモリロナイト→混合層鉱物→非膨潤性鉱物へと変化した. この結果はEberl(1978他)と大勢では一致する. しかし層間陽イオンがん;Mgの場合には種類の異なる混合層鉱物が得られた.
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