研究課題/領域番号 |
62470055
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
沖 猛雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023039)
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研究分担者 |
兼松 秀行 名古屋大学, 工学部, 助手 (10185952)
興戸 正純 名古屋大学, 工学部, 講師 (50126843)
長 隆郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023114)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | レアアースメタル / 溶融塩電解 / ランタン / ハフニウム / 電解分離 / ネオジウム / ジルコニウム |
研究概要 |
レアアースメタルは電極電位値の差がほとんどなく、単純な電解による分離は非常に困難である。本研究では、溶融塩中の錯体、配位子リーガントを利用して分離を行おうとするものであり、その基本として溶融塩中のチタンイオン、ハフニウムとジルコニウムイオンさらにランタンとネオジウムイオンの挙動について実験検討した結果、次のようにまとめられる。 1.塩化物ーフッ化物混合溶融塩中においてTi、HfとZrあるいはNdとLaのイオンは錯イオン状態を形成する。その価数と安定性は浴中のF^-イオン濃度によって変化する。 2.Zr、Hfの還元電位はフッ化物イオンの増加に共ない卑方向へ移行する。溶融塩中でZr、HfはそれぞれZrCl_<6-x>Fx^<2->、HfCl_<6-x>Fx^<2->錯イオンとして存在する。Xは最大6まで変化する。 3.La、Ndの析出電位は浴中のF^-イオン濃度の増加と共に卑方向へシフトしLaの方が析出電位が卑になる傾向にある。 4.塩化物ーフッ化物混合溶融塩中のF^-イオン濃度は各金属イオン(Ti、Hf、Zr、La、Nd)の賦存状態に大きく影響する。このF^-イオン濃度がTa電極の電位変化から測定できることが明らかとなった。 5.溶融塩中のフッ化物イオン濃度の調整と電解条件としてのカソード還元電位制御により、これら混合溶融塩(HfとZrあるいはNdとLa)からの直接電解分離が可能であることが明らかとなった。この方法をマルチ化すれば、高純度金属(Hfーfreeジルコニウム、Laーfreeネオジウム)の生成が大変単純化されるものと考えられる。 以上のように溶融塩中の錯イオンの形成すなわち高配位イオン形成効果がレアアースメタルの分離に利用できることが明らかとなった。
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