研究課題/領域番号 |
62470057
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東 敬 九州大学, 工学部, 教授 (80037689)
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研究分担者 |
秋山 徹也 九州大学, 工学部, 助手 (10136517)
福島 久哲 九州大学, 工学部, 助教授 (50038113)
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キーワード | 電気めっき / 合金電析 / 異常型共析 / 誘導型共析 / 共析機構 |
研究概要 |
前年度の研究結果から、異常性を示す合金系においては、鉄族金属ーMo誘導型析の場合Mo低級酸化物、Znー鉄族金属変則型共析においてはZnの水酸化物が中間生成物として合金電析反応に関与していると考えられた。そこで、本年度においては、X線光電子分光法によりこれら中間生成物の検出を試みた。その結果、誘導型共析においては、鉄族金属析出の消極現象が観察される電解条件においては鉄族金属、Moのいずれも金属状態で存在するが、鉄族金属の分極現象が認められるようになると電着物中のMoの4価の酸化物が観察された。一方、Znー鉄族金属変則型共析においては2価Znのピークは認められるが、このピークが合金の電解途中で中間生成物として生成したものが、あるいは電解終了後空気中の酸素により酸化されたZnによるものか判断できなかった。さらに次に、電解中のその場測定であるカレント・インターラプタ法を用いてこれら中間生成物により陰極上に生成すると考えられる皮膜による抵抗過電圧の測定の試みた。その結果、誘導型共析においてはMoを含有しない鉄族金属単独電解に比べて高い抵抗過電圧が観察された。一方変則型共析においては抵抗過電圧の増加は小さく、Zn水酸化物生成によるものがどうか確認できなかった。そこで、Znー鉄族金属合金電解浴において、電解中の水素発生によるpHの上昇に伴う陰極近傍のpHの変化を各金属の水酸化物生成pHの関係を調べた。これより、浴中で最も水酸化物を生成しやすい金属はZnであり、陰極近傍のpHも浴本体のそれからZn水酸化物生成pHまで上昇し、Zn水酸化物生成のpH援衝作用によりZn水酸化物生成pH付近で停滞していることがわかった。以上の結果から、誘導型共析においては4価Moの低級酸化物が、変則型共析においてはZnの水酸化物が中間的に生成し、さらに鉄族金属の化学的特性を反映して還元が進むものと考えられた。
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