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1987 年度 実績報告書

2次元構造を持つ複合カルコゲナイド混合導電体の合成と伝導機構

研究課題

研究課題/領域番号 62470060
研究機関東京工業大学

研究代表者

阿竹 徹  東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30028229)

研究分担者 伊藤 義孝  東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (70016822)
丸山 俊夫  東京工業大学, 工学部, 助教授 (20114895)
キーワードAgCrS_2 / CuCrS_2 / 混合導電体 / 規則ー不規則転移 / 反強磁性相転移 / 熱容量 / カルコゲナイド混合導電体
研究概要

MCrX_2(M=Ag,Cu,Li,Na,K;X=S,Se)は,CrX_2とMがつくる2次元層が重なり合った構造を持つ混合導電体である. M原子がつくる2次元層内には,M原子1個当り2つの4配位サイトと1つの6配位サイトがあり,Ag,Cuは前者に位置しLi,Na,Kは後者を占める. このように明確にサイトが種別化されている2次元系の固溶体をつくれば,単なる混合効果のみならず,サイト混在効果など各種イオンの伝導機構について多面的な解析が可能となる. 本研究では,これらの系の構造と伝導機構および物性との関連を明らかにし,各種電極材料の開発と機能性向上のための基礎的研究を行うことを目的としている.
本年度は,まず良質の試料合成の試みとその評価および装置の製作を行った. 真空封入したガラス管内で高純度単体の混合物を1270Kで反応させることによりAgCrS_2を合成し,粉末X線回折,DTAおよび熱容量測定を行った. 42.02Kに反強磁性相転移による鋭い熱異常を観測した. 極低温領域における異常に大きな熱容量値は,イオン伝導性とも関連すると考えられるAg層のずれ振動の軟らかさに対応している. 室温から770Kに至る温度範囲でのAC法による測定では,673Kに銀イオンの4配位サイトにおける規則ー不規則転移による熱異常をとらえた. 相転移の低温側に大きな裾を持ち,高温側では急速に減少する典型的な2次相転移の特徴を示した. 転移エントろピーをはじめ,相転移機構に関する重要な知を得た. また中高温電気伝導率測定装置を製作し,室から800Kの温度範囲で測定した. その結果,673Kに2次相転移による異常を観測した. さらにCuCrS_2についても同じ手法で合成し,同様の研究を進めている. 低温での熱容量測定からは,37.42Kに反強磁性相転移を見い出した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tooru ATAKA: Proceedings of the 172nd Meeting of the Electrochemical Society. (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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