研究概要 |
本年度は下記の2項目について研究を実施した. [I]アモルファス赤リン薄膜の作製とその光誘起光学変化の検討 [II]カルシウムアルミネートガラスの紫外線感光性の検討 その結果は次のようにまとめられる. [I]赤リンをターゲットとして高周波スパッタリング法で均質な薄膜を合成することができた. 光学的バンドギャップはasーsputturedの試料で21_tV.ナ_<1.ニ>アニールすると197_PVであった. そして,バンドギャップに相当するエネルギーの光を照射すると,長波長側へのギャップの移動が観測された. そして,280℃付近まで加熱すると元に戻り, この変化は光照射ー加熱のサイクルに対し可逆的であることがわかった. この現象は従来からカルコゲン系アモルファス物質について知られている「光暗化効果」と全く同一であった. すなわち,本研究で「光暗化現象」が全くカルコゲン元素を含まない系でも生じることが明らかとなった. また,「光ドーピング現象」もAgとCuについて生じることが確認された. [II]CaOーAl_2O_3系で融液急冷法で得られる組成のガラスを高純度試薬を用いて調製したところ,UV光照射によりすみやかに黄褐色に着色することを見出した. 照射を止めても室温付近では着色は安定であるが,200℃以上に加熱すると完全に脱色する. 光照射ー加熱のサイクルに対して着色+ュSY.tautm.+ャ脱色は可逆的であった. 従前の感光性ガラスは光活性なドーパンドが感光性発現のオリジンであったが,ここで見出したガラスはこれらとは全く異なりドーピングを必要としない. 波長感度,3成分系での感度,不純物の影響などの基礎性データの測定が終了し,その感光機構の解明に移行しつつある.
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