研究課題/領域番号 |
62470062
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
阿部 良弘 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024223)
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研究分担者 |
山下 仁大 東京都立大学, 工学部, 助手 (70174670)
細野 秀雄 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30157028)
前田 益伸 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40016580)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | アモルファスリン / カルシウムアルミネ-ト / 光ブリ-チング / フォトクロミズム / 感光性ガラス / photochromism / photodarkening / photodoping |
研究概要 |
本年度は主にアモルファス赤リン薄膜の光誘起現象のうち光照射による光学密度の減少(光ブリ-チング)と還元カルシウムアルミネ-トガラスのフォトクロミズムについてその機構を検討した。得られた成果は以下のようにまとめられる。 A.アモルファス赤リン薄膜の光ブリ-チング機構について 機構は2段階より成ることが分った。光照射の初期では雰囲気中の酸素分子と膜が反応(酸化)し、後期においては生成したP_2O_3などのリンの低級酸化物の蒸発が生じている。この現象は価電子帯のトップがσ結合を形成しているリンのP軌道であることに起因し、化学結合にあずからない非共有電子対がトップを占めるカルコゲン系では生じないことを明らかにした。 B.還元カルシウムアルミネ-トガラスのフォトクロミズムの機構 酸化ガラスと全く異なったメカニズムに基づくことを明らかにした。すなわち、還元により酸素空孔が生成しCe_<3+>の光励起により生じた光電子がここにトラップされてイオン結晶中にみられるようなF中心と類似な色中心ができる。この中心の電子トラップのためのポテンシャル高さは室温の熱エネルギ-kTよりも小さいのでフォトクロミズムを示すと考えられる。 以上の結果は日本セラミックス協会論文誌とアメリカ応用物理学会誌に投稿し受理された。
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