研究課題/領域番号 |
62470064
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金丸 文一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
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研究分担者 |
吉朝 朗 広島大学, 理学部, 助手 (00191536)
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
延谷 宏治 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (70156222)
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キーワード | 固体電解質薄膜 / Agイオン伝導体 / 窒化物薄膜 / TiN-AlN系薄膜 / Cu_3N薄膜 / YBa_2Cu_3O_<7-x>(F,Cu)薄膜 |
研究概要 |
初年度の研究に引き続いて、新しくCu_3N、MoN基複窒化物及びYBa_2Cu_3O_<7-x>などの新しい系を加え、薄膜の作成ならびに特性評価を行った。以下にその要約を述べる。 (1)固体電解質薄膜(i)測定面では、表面弾性波による可動陽イオンの動的解析を行うための高温用セルを作成し、80Kから700Kの温度範囲の表面弾性波の吸収測定を可能にした。(ii)物質系ではβ-アルミナ、β-AgIに加えて、AgI-AgBr系物質の合成と超微構造解析を行い、局所構造とイオン伝導機構の関係を明にした。この結果を基に、(iii)また超イオン伝導体α-及びβ-Ag_3SIの局所構造解析を進めている。バルク試料より2桁以上も高いイオン伝導を示すβ-AgI薄膜(直接ヨウ化法)について、熱非平衡反応及び不定比性によって導入された高濃度の格子間Agイオンが高いイオン伝導度の原因であることを明らかにした。 (2)金属窒化物薄膜(i)NaCl型Ti_<1-x>Al_xNの耐酸化性の向上、ならびに薄膜表面におけるAlの-OHやA-O結合形成の抑制の機構をX線光電子分光法で解析廠、TiN-AlN系窒化物におけるTi及びAlの化学結合面からの挙動を明らかにした。(ii)スパッタ法合成されたanti ReO_3型構造のCu_3N薄膜は暗褐色で絶縁体に近い高抵抗を示し、遷移金属窒化物の中では特異な性質を示す。開孔構造を利用したインターカレーションに関する特性付けを進めている。(iii)MoN基のMoN-AN(A:Nb、Zr、Ti)系各化合物膜を作製し、A元素添加がNaCl型構造の安定性ならびに超伝導に及ぼす影響を実験的に求め、さらに電子構造の立場からその添加効果を解析している。 (3)YBa_2Cu_3O_<7-x>薄膜スパッタ法で作製した非晶質YBa_2Cu_3O_<7-x>薄膜の結晶化に及ぼす添加元素の効果や基板の影響を検討した。F及びCuいづれも結晶成長を促進し、低い温度で優先配向膜を形成するが、AEM分析から粒界相の形成に大きな差をもたらすことを明らかにした。
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