研究概要 |
直流プラズマジェット,マイクロ波放電, およびECRプラズマ装置を利用して発生したプラズマによって, 非平衡薄膜の合成研究を行ない, 次のような成果を得た. 1.プラズマジェットを用いたメタン分解によるダイヤモンドの析出 圧力200Torrにおいて発生したアルゴンーメタンー水素プラズマジェットによってチタンまたはモリブデン基板にダアヤモンドを析出した. アルゴンーメタン(0.1%)プラズマ中に水素を2Vol.%添加することによって, グラファイトの析出が抑制され, TiCまたはMo_2Cのみの生成が認められた. 水素を7vol.%添加することによって, 基板上へのダイヤモンドの析出がなされた. ダイヤモンドの析出速度は0.5μm min^<-1>以上であった. プラズマジェットの発光分光分析結果とあわせて, ダイヤモンドの高速析出機構について考察を加えた. 2.マイクロ波放電プラズマによる透明六方晶窒化ホウ素膜および立方晶窒化ホウ素膜の析出 マイクロ波放電によって1Torrの圧力下において発生したジボランー窒素プラズマよりシリコンおよび石英基板上に窒化ホウ素膜を析出した. 短時間の放電による析出膜は260nmに吸収端をもつ透明六方晶BNであり, 長時間放電によっては, 硬さ2500kg, mm^<-2>以上の立方晶BNが得られた. 3.ECRプラズマ装置の作成とそれによるポリマーの生成 ECR装置を試作し, 10^<-4>Torrの圧力下において発生したメタンプラズマによって, 石英基板上に250nmに吸収をもつ半導性ポリマー薄膜を析出した.
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