研究課題/領域番号 |
62470090
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三田 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (10013632)
|
研究分担者 |
古知 政勝 東京大学, 工学部, 講師 (90013705)
堀江 一之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (10013690)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
キーワード | ポリイミド / 配向 / 延伸 / 分子複合材料 / 高弾性率 / 蛍光 / イミド化反応 / 光化学ホ-ルバ-ニング |
研究概要 |
耐熱性の優れた芳香族ポリイミド(PI)の高次構造を制御して、力学的特性も優れたものにすると同時に、その高次構造を知る手段としての蛍光法の開発、ポリイミド中での光化学ホ-ルバ-ニングの特徴及びポリアミド酸の固相イミド化反応への構造の影響を調べた。 ポリイミドフィルム自身を高温で延伸すると弾性率が2〜3倍増加する程度であるが、前駆体のポリアミド酸を冷延伸し、ついで熱アミド化することにより、剛直性の高いPIの場合60GPaの高弾性率を得た。さらに膨潤延伸法を開発し100GPaというフィルムとしては最高の値を得た。一方横方向の弱さを克服するため、全新しいPI/PI分子複合材料をポリアミド酸段階でブレンド延伸する方法で製作した。剛直成分70%で弾性率40〜50GPa、横方向の伸びが良く欠陥が少ないため破断強さが1.5GPaという優れたフィルムが得られた。 これらPIからの蛍光の波長と化学構造の関係から、蛍光が分子間電子移動発光であること、熱処理や延伸という高次構造変化に敏感であることを明らかにした。これを基に、二成分ポリイミドの相溶性を調べることが可能になり、一見透明なブレンドでも、数nm以下のスケ-ルで見た時必ずしも均一でない場合のあることが分かった。ポリイミド中でテトラフェニルポルフィンの光化学ホ-ルバ-ニングを行ったところ、分子の極性のためかホ-ルの量子収率は低かったが、Tgの高いポリマ-から予想されるように高温での構造緩和は起こりにくいことが分かった。 ポリアミド酸とそのモデル化合物の固相中でのイミド化反応を調べ、他の固相反応同様、初期には化学反応速度で、やがて拡散律速となり、この段階ではイミドの化学構造と高次構造が反応速度に影響することが分かった。
|