他核種NMRによる溶液および液晶状態におけるいくつかのポリペプチドのコンホメーション解析の高度化

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 62470091
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 安藤 勲 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016637)
• 研究分担者: 甲本 忠史 群馬大学, 工学部, 助教授 (00016643) ; 中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
• キーワード: ポリペプチド / ペプチド / イオノホア / 固体高分解能NMR / NMR化学シフト / コンホメーション / ヘリックス / 水素結合 / 液晶 / 金属イオン輸送

研究概要

本研究は、溶液及び固体高分解能NMR法を用いて溶液、液晶及び固体状態におけるポリペプチド、ペプチド及び生体機能関連モデル化合物のコンホメーションの解析を高精度に行う方法の確立及びその応用を行うことを目的としたものである。従来はコンホメーション解析にスピンカップリング定数を測定して行れてきた。しかし、僅かな誤差がコンホメーション解析の精度を著しく低下させる。これを克服して高精度にコンホメーション解析を行うために固体高分解能NMRスペクトルの測定によって得られる固体^1^3C及び^1^5N化学シフト値を基礎として、溶液、液晶及び固体状態におけるポリペプチド、オリゴペプチド及び生体関連モデル化合物のコンホメーション解析を行い、方法論の確立を試みた。研究対象としたポリ(γ-オレイルL-グルタメート)の主鎖及び側鎖のコンホメーションを^1^3C化学シフトデータについて解析し、サーモトロピック液晶の発現機構とコンホメーションの間に密接な関係があることを明らかにした。β-ターン構造をとっているオリゴペプチドが高次構造を形成する際の水素結合の構造と役割を^1^3C化学シフトデータを解析することにより明らかにした。さらに、生体中における金属イオンの輸送の機構と構造の関係を明らかにするために、モデル化合物イオノホアについて溶液構造と金属イオンの輸送の構構の関係をNMR解析により調べた。次年度は過去2年間に行った研究の補足実験を行い、本研究課題の総括を行いまとめる予定である。

研究成果

• [文献書誌] Shinji,Ando: J. Amer. Chem. Soc.110. 3380-3386 (1988)
• [文献書誌] Hidetoshi,Miyamoto: J. Mol. Structure. 172. 395-400 (1988)
• [文献書誌] Shinji,Ando: J. Mol. Structure. 192. 153-161 (1988)
• [文献書誌] B.,Mohanty: Macromlecules. 印刷中.
• [文献書誌] Kazuo,Yamaguchi: Bull. Chem. Soc. Japan. 61. 2047-2054 (1988)
• [文献書誌] Hitoshi,Kubiniwa: Chen. Letters. 923-926 (1988)
• [文献書誌] Isao,Ando: "Annual Reports on NMR Spectroscopy" Academic Press, 210-290 (1989)