研究課題/領域番号 |
62470095
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
北尾 敏男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70027879)
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研究分担者 |
山根 秀樹 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (30191365)
木村 良晴 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (10132276)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | ポリアシロキシアロキサン / 溶液紡糸 / 芳香属有機酸 / 焼成 / アルミナ質繊維 / 炭素連続相 / 電気伝導性 |
研究概要 |
トリエチルアルミに、水および有機酸を反応させ加水分解重合によるポリアシロキシアロキサンを合成した。有機酸としては、3ーエトキシプロピオン酸と安息香酸またはその誘導体とを併用した。この高分子量生産物をトルエンに溶解して紡糸原液とした。濃度を30%とした場合には、3ーエトキシプロピオン酸とmーアニス酸とを配位子とするポリアロキサンが最も優れた可紡性を示し、乾式紡糸法により30〜50μmの直径を有する繊維が得られた。この繊維を窒素雰囲気中で、10℃/minの昇温速度で1200℃まで焼成し、アルミナ質繊維とした。体積電導度の測定は4端子法によった。焼成温度が高くなるにつれ高い電導度を示すようになり、1200℃まで焼成したアルミナ質繊維の電導度は10S・cm^<-1>を越えた。このことより、焼成過程で有機配位子が脱離分解し炭素化を起し、アルミナマトリックス中で連続構造を形成しているものと推察した。 3ーエトキシプロピオン酸およびプロピオン酸を配位子とするポリアロキサンを、同様の方法で合成した。超高分子量ポリエチレンとの混合物をデカリンに溶解し紡糸原液とした。ゲル紡糸法により容易に繊維化し得た。延伸と同時に脱溶媒した。電子線照射によりポリエチレンを橋かけした後、電気炉内で焼成した。1200℃まで焼成したアルミナ質繊維の電導度は1S・cm^<-1>程度であった。混合する共成分をポリエチレンからポリアクリロニトリルに変え、ジメチルホルムアミド溶液としても容易に乾式紡糸できた。このブレンド繊維を約2倍まで延伸した後焼成した。同様な方法で電導度を測定した。しかし、ポリアクリロニトリルの配向度が低いためか、数S・cm^<-1>程度の導電性を示すにとどまった。
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