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1988 年度 実績報告書

長い共役三重結合をもったポリマー(カルビン)の合成と物性

研究課題

研究課題/領域番号 62470099
研究機関筑波大学

研究代表者

白川 英樹  筑波大学, 物質工学系, 教授 (40016720)

研究分担者 赤木 和夫  筑波大学, 物質工学系, 講師 (20150964)
キーワードカルビン / 共役三重結合 / 導電性高分子 / ドーピング / ポリイン / 塩素化ポリアセチレン
研究概要

SP混成軌道をもつ炭素だけからなる一次元の共役三重結合をもったポリマー(カルビン)-(C〓)x-を次に述べる二つの方法で合成した。すなわち、1.ポリ塩化ビニリデンの脱塩化水素による方法、と2.ポリアセチンレンに三塩化鉄を過剰ドーピングすることによる立体規則的塩素化ポリアセチレンの脱塩化水素による方法、である。
脱塩化水素反応は有機強塩基であるDBU(1.8-diazabicyclo〔5,4,0〕undec-7-ene)を用いた。溶媒としてDMFやDMSOなどの極性溶媒を用いると脱塩化水素の反応率が高く、ほぼ100%の脱塩化水素反応を起こすことがわかった。また最適反応温度は室温付近であった。
得られたカルビン中の共役鎖長などを決定するために、モデル化合物として種々の末端基を有するR-(C〓C)x-Rを合成し、その吸収スペクトルを対比することで共役鎖長を推定した。これらのモデル化合物の吸収スペクトルは末端基が飽和している場合と不飽和の場合で、かなり異なる挙動を見せた。不飽和結合を含む末端基の場合は、末端基と共役三重結合が互いに共鳴するための吸収極大はエネルギーの低い方向にかなり移動することを見い出した。
得られたカルビンの共役三重結合鎖長を赤外吸収スペクトル、ラマン散乱スペクトル、紫外可視吸収スペクトルで検討した結果、最長のポリイン共役鎖長が得られた反応系は、PVDCまたは塩素ポリアセチレンをDBU-DMSOで脱水素したもので、その長さ(Nc〓c)は10〜40と推定された。
このように長い共役三重結合鎖を有するカルビンは熱や空気に対して不安定であり、容易に三重結合の開裂や架僑反応が起きたり、数分のうちに酸化されてしまうことがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kazuo,AKAGI: Synthetic Metals. 17. 557-562 (1987)

  • [文献書誌] Kazuo,AKAGI: Polymer Journal. 19. 185-189 (1987)

  • [文献書誌] Hedeki,SHIRAKAWA: J.Macromol.Sci.part A Chemistry. A25. 643-654 (1988)

  • [文献書誌] Kazuo,AKAGI: Synthetic Metals. 28. D1-D10 (1988)

  • [文献書誌] Kazuo,AKAGI: Synthetic Metals. 28. D51-D56 (1988)

  • [文献書誌] Y.W.PARK: Synthetic Metals. 28. D27-D34 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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