研究概要 |
本研究の主目的は, 高分子レジストの光エッチングにおいて気化した反応生成物を検出, 同定することにより, その反応を支配する機構に関する知見を得ることである. 又, これから, より高効率で光エッチングするための条件をみい出し, これに適した高分子レジストを設計する. 62年度は, 上記目的を達成するために必要な, 光エッチング生成物分析装置の設計及び製作及び活性ガス(ラジカル)存在下で実際的な光エッチング実験を高分子レジスト及びシリコンウェハーを用いて行った. (1)分析装置の製作 高真空チェンバーを製作し, これに温度コントロール可能な試料台,種々の光を真空内に導入するためのポート,反応生成物を高感度で検出可能な四重極貭量分析管を組み込み,さらに試料付近で反応性ガスの分圧を高くするための反応ガスビーム導入機構をとり付けた. 現在, H_2放電管を製作し, これから放射される短波長光を用いて光エッチング生成物の検出を行ないつつ装置のテストを行っている. (2)高分子レジスト,シリコンの光エッチング 微細加工におけるエッチングでは,いかにして異方性エッチングを行なうかが重要である.本研究ではレジスト,シリコンウェハーの光エッチングをFラジカル存在下で行ない,これら試料の光照射部でのエッチング速度が,Fラジカルのみによるエッチング速度よりも大きく,試料の光励起によりエッチングが増幅され異方性エッチングが両試料ともに可能であることが判明した.
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