研究概要 |
1.グッタペルカ, バラタ, チクルの樹脂から精製したトランスポリイソプレンを分別沈澱法により分子量分別し, 低分子量画分についてGPCーLALLS(低角度レーザー光散乱計)法による分子量測定及び^<13>CーNMR測定を行った. これらは全て同一の主鎖及び末端構造を持つことが明らかとなった. 又, ラテックスから得られるポリイソプレンは, 末端基が化学修飾を受けて別の構造になり易いことが解った. シスポリイソプレンの場合, 両末端のほとんどが修飾されており, トランスポリイソプレンでもW末端が部分的に修飾されていた. 2.GPC-LALLS法により分岐度を求める際に必要となる直鎖ポリマーの粘度式を得るために, Li系市販合成ポリイソプレンCariflex-305を分別沈澱法により分子量分別した. 現在, 各画分について溶液粘度測定及び膜浸透圧計による分子量測定を行なっている. 来年度は, 粘度式を決定し, それを用いて各種試料の分岐度を求める予定である. 3.NMRによる末端及び分岐構造の定量と, GPC-LALLS又は膜浸透圧計による分子量測定を組み合せることによってポリマー鎖当りの分岐数を求める方法についても検討した. 末端基モデルとなるイソプレンオリゴマーを合成し, その^<13>C-NMRスペクトルから末端基シグナルを帰属した. 現在, 分岐構造からのシグナルの同定を進めている.
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