研究課題/領域番号 |
62470106
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
江見 準 金沢大学, 工学部, 教授 (90025966)
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研究分担者 |
大谷 吉生 金沢大学, 工学部, 助手 (10152175)
金岡 千嘉男 金沢大学, 工学部, 教授 (00019770)
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キーワード | 超高性能エアフィルター / 低圧力損失 / ヘパフィルター / エレクトレットフィルター / 性能評価 / 繊維径 / 繊維配向 |
研究概要 |
クリーンルームで使用される超高性能エアフィルターは、繊維径が0.7μm前後の極微細ガラス繊維層であり、厚みや充填率を増すと希望の粒子捕集効率を容易に達成することができるが、この場合圧力損失も同時に大きくなる。本研究課題では、圧力損失を低く抑えたまま、高捕集効率を達成できるような内部構造をもつフィルターの開発を目指している。このような省エネルギー型超高性能フィルターの性能を評価するために、粒子透過率Pと圧力損失ΔPを同時に考慮に入れた性能の指標I=lnP/ΔPを導入し、I値を大きくする方法として、昨年度に引き続き、(i)繊維径を小さくした場合、(ii)繊維の配列を変えた場合、(iii)帯電繊維を用いた場合、について検討した。その結果、(i)については見掛繊維径を大きくする原因となるバインダーを除去すればI値は大きくなること、繊維径が0.1μm前後の繊維状メンブレンフィルターのI値は市販のHEPAフィルター(平均繊維径約0.7μm)より大きいことが判明し、昨年度までの理論計算結果の予測通り、繊維の微細化が省エネルギー型フィルターの開発に不可欠であることがわかった。また(ii)については、繊維を流れ平行に配置した繊維層のI値は、理論計算では流れに垂直な繊維よりなるフィルターより低く、昨年の実験データと逆の傾向を示した。この原因は、計算ではフィルター厚さ方向に粒子混合がないためであり、従って混合を促進させるために流れに平行でない繊維を混入させる必要があることがわかった。さらに(iii)については、昨年度までの研究でエレクトレットフィルターの初期のI値は極めて大きいことが確められたが、長時間粒子を流す実験を行った結果、液体粒子が繊維に蓄積すると電荷が失われ効率が低下すること、固体粒子の場合は効率の低下はなく圧力損失が上昇していくこと、湿度に対しては繊維の電荷は極めて安定であること、などがわかった。
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