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1988 年度 実績報告書

回分式吸着と流通式溶出を組み合せたアフィニティによる生化学物質の分離精製

研究課題

研究課題/領域番号 62470107
研究機関名古屋大学

研究代表者

後藤 繁雄  名古屋大学, 工学部, 教授 (90023283)

研究分担者 後藤 元信  名古屋大学, 工学部, 助手 (80170471)
キーワード生化学物質 / 分離 / 精製 / 濃縮 / アフィニティ / クロマトグラフ / 吸着
研究概要

昨年度の研究からアルブミンの分離精製に、回分式吸着と流通式溶出を組み合わせると全体の操作時間が短縮できることが分かった。また、理論的研究から吸着等温式が矩形に近いほど、この複合プロセスの効率が良いことが明らかとなった。
そこで、本年度では、吸着等温式がアルブミンの場合よりも更に矩形に近いSoybean Trypsin Inhibitorによるトリプシンの吸着の場合を取り上げた。
実験装置としては、全容積が250cm^3のものと2,500cm^3のものと2種類を試作した。両者とも順調に連続運転ができることを確認した。
吸着平衡の測定には、吸着体の量およびトリプシンの原料濃度を変化させて仕込んだ密封型容器を2昼夜の間10℃に保ち、平衡濃度を求めた。その結果、吸着等温式はFreundlich型であり、矩型に近いことが分かった。
回分式吸着の実験では、20分以内でほぼ平衡に達した。流通式溶出の実験からは12分以内にトリプシンの溶出が終わり、そのときの濃度は原料濃度に比較して最大35倍まで濃縮できることが分かった。
比較のために行なった流通式吸着の実験では、原料濃度と流速を変化させて破過曲線を測定した。その結果、原料濃度が高いほど、また流速が低いほど破過曲線が鋭くなった。従って、濃度が低く、時間の短縮のために流速を高くすることは流通式吸着に適さなかった。
回分式と流通式の回収効率を一定に保って、操作時間の比較をした。吸着剤の利用効率も同じにしたときには、流通式吸着の操作時間は回分式の0.14倍となり、大巾に短縮できた。
以上の結果より、本研究の複合プロセスは生化学物質の分離精製に有用であり、工業化への指針を与えることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 後藤繁雄: ケミカルエンジニヤリング. 33. 365-369 (1988)

  • [文献書誌] Bo-Lun,Yang: Colloids and Surfaces. (1989)

  • [文献書誌] Bo-Lun,Yang: J.Chem.Eng.Japan. (1989)

  • [文献書誌] Bo-Lun,Yang: Separation Science and Technology. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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