研究課題/領域番号 |
62470110
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
向阪 保雄 大阪府立大学, 工学部化学工学科, 教授 (70081346)
|
研究分担者 |
島田 学 大阪府立大学, 工学部化学工学科, 助手 (70178953)
奥山 喜久夫 大阪府立大学, 工学部化学工学科, 助教授 (00101197)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
キーワード | CVD / 超微粒子 / エアロゾル / 均一核生成 / 不均一核生成 / ブラウン凝集 |
研究概要 |
近年ハイテクノロジーとの関連で注目を集めている粒径が約0.1μm以下の超微粒子に関して、純度の高い生成物が期待できる気相化学反応による超微粒子の効果的な製造法および粒子生成過程の理論的予測に関連して研究を進めた。実験的には、チタンのアルコキシド(チタンテトライソプロポキシド)蒸気を、約1500℃まで制御できる5段の管状型反応炉に導入し、酸化チタン粒子の生成を、蒸気の流量、加熱炉の温度および温度勾配、キャリアガスの種類を窒素もしくはヘリウムガスと変えて行ない、つぎの結果を得た。 (1)酸化チタンは、球形で比較的よく揃っており、粒径は約0.1μm以下の超微粒子である。(2)蒸気濃度が高くなると、粒子の平均径が大きくなる。(3)反応に、シード粒子を蒸気とともに導入して、シード粒子の成長を調べたところつぎのことがわかった。(1)シード粒子の個数濃度が蒸気の反応により新たな粒子の生成を抑制する最も重要な因子である。(2)蒸気の濃度が低いほど、反応温度が低いほど、新たな粒子の生成が抑制された。 一方、理論的には、気相化学反応による超微粒子の生成過程が、反応によるモノマーの発生、発生したモノマーのブラウン凝集による粒子の生成と考え、新しい簡略化反応-凝集モデルを提案した。そして、管内を層流で流れる蒸気の反応による粒子生成を明らかにするために、粒子の生成を考慮した拡散方程式を数値計算した。得られた計算結果を実験結果と比較したところ、両者はよく一致するという興味深い知見が得られた。この結果より、本研究で展開された理論的アプローチは、種々の場での粒子の生成を明らかにするのに有効であるといえる。
|