研究課題/領域番号 |
62470118
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
渋谷 勲 埼玉大学, 理学部, 教授 (60013306)
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研究分担者 |
松崎 博 埼玉大学, 理学部, 助手 (80008870)
太田 明徳 埼玉大学, 理学部, 助教授 (30125885)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | リン脂質 / 大腸菌 / パン酵母 / FA3A細胞 / 突然変異株 / 遺伝子破壊 / 外膜リポ蛋白 / 細胞内分布 |
研究概要 |
大腸菌、パン酵母、及び培養動物細胞についてリン脂質の膜機能・細胞機能における役割の解析を行い、それぞれ次のような成果を得た。 1.大腸菌:(1)カルジオリピン合成酵素を精製し、構造遺伝子がclsであることを証明、活性に及ぼすリン脂質環境の影響を明らかにした。(2)cls遺伝子の完全欠損変異株を構築して特性を解析し、cls遺伝子及びカルジオリピン合成酵素の非必須性を示した。(3)ホスファチジルセリン合成酵素によるカルジオリピン合成を発見、その温度感受性変異pssー1とcls完全欠損変異二重変異株を構築して解析し、カルジオリピンの必須性を結論した。(4)本来致死的であるホスファチジルグリセロリン酸合成酵素の変異pgsA3を許容する変異を外膜主要リポ蛋白の構造遺伝子lppの欠損と同定、ホスファチジルグリセロールの必須性と必要量を明らかにした。(5)pssー1変異株の特性を詳細に解析し、ホスファチジルエタノールアミンのマトリックス・レベルでの必須性と細胞にとっての大凡の必要量を明らかにした。 2.パン酵母:(1)ホスファチジルセリン合成酵素の構造遺伝子CHO1のクローニングと塩基配列解析を行い、遺伝子産物の精製、解析結果と併せ同酵素の一次構造及び転写後のプロセシングを明らかにした。(2)リン脂質生合成系の各酵素の細胞内分布を明らかにした。(3)ホスファチジルグリセロリン酸合成酵素の性質を調べた。(4)ホスファチジルセリンデカルボキシラーゼ活性が上昇又は低下している変異株群を取得し、ミトコンドリア機能との関連で性質を解析した。(5)CHO1遺伝子の完全破壊株を構築、特性を解析した。 3.培養動物細胞:(1)マウス自然発生乳癌由来FM3A細胞から、ホスファチジルイノシトール要求性変異株群を取得して諸性質を解析した。(2)ホスファチジルイノシトールによる細胞内イノシトール・レベル及びホスファチジルグリセロール合成の調節を発見した。
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