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1988 年度 実績報告書

高等植物細胞における糖蛋白質の生合成輸送、分泌機構の細胞生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 62470119
研究機関名古屋大学

研究代表者

赤沢 堯  名古屋大学, 農学部, 教授 (20023400)

研究分担者 小林 裕和  名古屋大学, アイソトープセンター, 助手 (80170348)
高倍 鉄子  名古屋大学, 農学部, 講師 (60089852)
キーワードαーアミラーゼ / イネ / 糖鎖 / 生合成 / 細胞内輸送 / 分泌
研究概要

従来、我々の研究はendo-glycosidaseによってイネαーアミラーゼをグループ分けする方法が中心であった。この方法ではハイマンノース型糖鎖を持つ糖タンパク質を容易に区別することが可能であるが、糖鎖の化学構造は分からない。そこで、イネ液体培養細胞の培養液から精製したαーアミラーゼについて糖鎖の構造決定を行った。
まず始めに、正常な培養条件下で培養液中に分泌されたαーアミラーゼの糖鎖構造を決定し、(GlcNAc)_2Man_3(Xyl)GlcNAc_2またはGlcNAcMan_3(Xyl)GlcNAc_2であることを明らかにした。この結果は、細胞外に分泌されたイネαーアミラーゼがコンプレックス型糖鎖を持つというこれまでの実験結果を裏着けるものである。微生物のαーアミラーゼはハイマンノース型糖鎖を、動物のαーアミラーゼはコンプレックス型糖鎖を持っている。本研究の結果、イネαーアミラーゼの糖鎖は、基本的にはコンプレックス型でありながら、Xylを含むという点で植物糖タンパク質に特有な構造であることが明らかになった。同一の酵素でありながらそれぞれの生物に特有の糖鎖を持っていることは、生物の進化を考える上で興味深い。一方、前年度の研究結果、Tris存在下では細胞内における糖鎖修飾反応が阻害され、ハイマンノース型糖鎖を持つαーアミラーゼの分泌が起こることが明らかになった。そこでTris存在下で培養液中に分泌されたαーアミラーゼの糖鎖構造を解析した結果、この糖鎖はMan_5GlcNAc_2という典型的なハイマンノース型構造である事が明らかになった。
これら結果は、イネαーアミラーゼは、ハイマンノース型糖鎖を視つ前駆体として小胞体で合成された後、小胞体及びゴルジ体における糖鎖修飾反応によってコンプレックス型糖鎖に変換される事、又Tris等環境要因によって糖鎖修飾反応が阻害された場合、ハイマンノース型糖鎖を持ったまま分泌されてしまうことを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Akazawa;T.Mitsui;M.Hayashi: The Biochemistry of Plants. 14. 465-492 (1988)

  • [文献書誌] M.Hayashi;T.Mitsui;T.Akazawa: Plant Physiol Biochem.

  • [文献書誌] M.Hayashi;T.Mitsui;T.Akazawa: Arch.Biochem.Biophys.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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