研究課題/領域番号 |
62470120
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
駒野 徹 京都大学, 農学部, 教授 (30026413)
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研究分担者 |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助手 (00182593)
植田 和光 京都大学, 農学部, 助手 (10151789)
酒井 裕 京都大学, 農学部, 助教授 (60089117)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | BTトキシン / delta-エンドトキシン / BTトキシン遺伝子 / 130kDa遺伝子 / 殺虫活性領域 / 組換えプラスミド / ISRH3 / ISRH4 |
研究概要 |
Bacillus thuringiensis var.israelensisの含有する7種類のプラスミドの中の大型プラスミドに殺虫性タンパク質(delta-エンドトキシン)遺伝子が存在していた。このプラスミドから130kDaタンパク質をコ-ドする2種類の遺伝子をクロ-ン化し、それらをISRH3及びISRH4と命名した。両遺子の全塩基配列を決定したところ、ISRH3には3408塩基からなる読み枠(ORF)が、ISRH4には3543塩基からなるORFがそれぞれ存在していた。両タンパク質のアミノ酸配列を比較すると、C末端側約40%に相当する467アミノ酸残基は完全に一致していたが、N末端側約60%に相当する部分は相同性は認められなかった。ISRH3のC末端側約50%に相当する575アミノ酸残基からなるタンパク質をコ-ドするDNA断片を含む組換えプラスミドを作製し、大腸菌で発現させたところ、殺虫活性を有するタンパク質が産生されているのが認められた。 一方、ISRH3及びISRH4をpUCベクタ-上のlacZ′に連結して融合遺伝子をそれぞれ作製し、大腸菌中で発現させたところ、産成されたタンパク質は共に強い殺虫性を示していた。さらに融合タンパク質遺伝子のC末端側またはN末端側から順次欠失させた欠失遺伝子を作製し、それらを大腸で発現して殺虫性の有無を調べた。その結果、ISRH3及びISRH4タンパク質は、N末端側から約60%長に相当する強い殺虫活性領域(N末殺虫領域)とC末端側から約50%長に相当する比較的弱い殺虫活性領域(C末殺虫領域)の2つの殺虫性領域をもつことがわかった。これら殺虫性領域は130kDaタンパク質の中央部付近に共通アミノ酸配列部位をもっていた。そこでISRH3及びISRH4タンパク質の全長から、2つの殺虫性領域に共通な部位を含む中央領域を欠失させた遺伝子を作製し、大腸菌で発現させたところ、産生されたタンパク質は殺虫活性を失っていた。
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