1.TK-6株における特徴的な酸化還元物質の検索 TK-6株中にE.coliと同程度の濃度でPQQが存在していることが示された。 2.Pyruvate synthase活性測定の試み (1)菌体破壊液を用いた実験 TK-6株の菌体中には天然還元力供給物質が当然存在しているはずなので、まずTK-6株の菌体破壊液を用いてPyhruvate synthase活性を測定することを試みた。活性測定はAcetyl-CoA依存のNaH^<14>CO_3のとりこみを反応後の酸安定物のカウントとして液体シンチレーターを用いて測定するという方法によった。種々条件を変えて行ったが、endogeneousな何らかのNaH^<14>CO_3とりこみ活性がPyruvate synthase活性に比べて強いために目的の活性がマスクされているという現象が存在した。 (2)部分精製酵素を用いた実験 逆反応の活性を指標としてPyruvate synthaseを、硫酸アンモニウム分画およびFPLCを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより部分精製した。部分精製酵素および還元力供給物質(画分)としてCoractor画分・Boiled cell lysate・メチルビオローゲン・NAD(P)Hを用いて炭酸固定反応を検出することを試みた。Cofactor画分、Boiled cell lysate、メチルビオローゲンを用いた場合にはその還元系として可溶化ヒドロゲナーゼを共存させた。また、反応系の炭酸ガスの存在形態および濃度も考えあわせ、ラベル化合物以外に炭酸ガスも気相に含ませるという実験およびC_1化合物をrormate(ノンラベル)として与える実験も行った。結果は、有意なNaH^<14>CO_3とりこみ活性が検出されずPyruvate synthaseの活性は測定できなかった。Pyruvate synthaseはピルビン酸のカルボキシル基とNaH^<14>CO_3との交換反応も触媒する。得られた部分精製酵素画分はこの反応を触媒したため、単離された酵素が確かにPyruvate synthaseであることが示された。
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