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1988 年度 実績報告書

植物性システインプロテイナーゼとそのインヒビターの構造修飾と特殊機能の開発

研究課題

研究課題/領域番号 62470124
研究機関東京大学

研究代表者

荒井 綜一  東京大学, 農学部, 助教授 (20011934)

研究分担者 渡辺 道子  東京大学, 農学部, 助手 (90107409)
キーワードシステインプロテイナーゼインヒビター / オリザシスタチン / クローニング / パパイン
研究概要

システインプロテイナーゼは通常のタンパク質分解反応のみならず、非通常反応であるタンパク質のアミノ基転移をも有効に触媒するので、これを利用すればタンパク質分子にアミノ酸エステルをペプチド結合状にて転移させることができる。筆者らは、システインプロテイナーゼの代表例であるパパインを用い、ダイズタンパク質にメチオニンエチルエステルを導入して栄養価を改良し、ゼラチンにロイシンドデシルエステルを導入して新しい界面活性剤を開発したが、パパイン反応を調節するためのインタビターの使用が必須であった。筆者らのグループは、食品起源のシステインプロテイナーゼインヒビターの発見を意図して種々検索を行った結果、コメ種子中にそれが存在することを見いだし、オリザシスタチンと命名して詳細な研究に入った。オリザシスタチンはコメ(中生新千本)胚乳部に存在し、リン酸援衝液抽出、硫安塩析、各種クロマトグラフィーによって容易に精製された。分子量は11,500の小型タンパク質でPHおよび熱に対して安定であり、工業規模でのパパイン反応を調節する上にきわめて有用であると考えられた。
次いで、イネ未熟種子からmRANを抽出し、逆転写によってcDNAライブラリーを作製した。オリザシスチンの部分一次構造をコードするオリゴヌクレオチドをプローグとし、このライブラリーからオリザシスタチンcDNAを単離し、クローン化に成功したので、塩基配列の解析から、オリザシスタチンの全一次構造を決定した。さらに、このcDNAの5^1-末端及び3^1-末端を削除したものを大腸菌に導入し、N末端およびC末端の切断されたオリザシスタチンを造成した。これにより、さらに小型のパパインインヒビターを大量に入手することが可能になった。
現在、上記したパパイン触媒転移反応の調節に、この種の小型オリザシスタチンを適用し、満足すべき結果を得つつある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Keiko.Abe: J.Biol.Chem.263. 7655-7659 (1988)

  • [文献書誌] Soichi.Arai: "Protein quality and the effects of processing" Marcel Dekker, 315-329 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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