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1988 年度 実績報告書

接着剤の物性にもつづく木質材料の寿命推定法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62470127
研究機関東京大学

研究代表者

水町 浩  東京大学, 農学部, 教授 (40022165)

研究分担者 梶山 幹夫  東京大学, 農学部, 助手 (40191978)
竹村 彰夫  東京大学, 農学部, 助手 (50183455)
秦野 恭典  東京大学, 農学部, 助手 (70172921)
キーワード木材接着 / 接着剤 / 粘弾性 / 耐久性 / 接着強さ / クリープ / マスターカーブ
研究概要

木材工業界においては最近構造材料として各種木質材料の開発が進められ、接着剤についても従来の熱硬化性樹脂のみならず、種々の構造・物性をもつ新しい高分子をも積極的に取り入れる動きもある。ここで最も大きな問題となるのは木質材料の力学的耐久性である。我々は接着剤の物性の変化に着目して接着系の耐久性をレオロジー的に解析し、科学的根拠に裏うちされた、普遍性のある材料寿命の推定方法を確立することを目的として研究を行った。以下に主な成果をまとめる。3種のポリ酢酸ビニル系接着剤(溶液重合によるPVA_C(S)、乳化重合によるPVA_C(E)およびPVA_C(E)にイソシアネート系架橋剤を添加したPVA_C(EC)、ポリエステル系ホットメトル接着剤、3種のEVA_C系ホットメルト接着剤およびアクリルフォーム接合剤(VH_B)についてそのフィルムの動的粘弾性を測定するとともに、せん断接着強さ、引張り接着強さならびにはく離強さを温度と変形速度の関数として測定し、それぞれのマスターカープを得た。その結果、接着剤の物性の変化が接着性能に顕著な影響を与えるものであることを確認した。せん断接着強さは最も高速で極大を示し、その値は大きい。引張り接着強さはそれより若干低速で極大となり、その値は比較的低い。はく離強さは最も低速で極大を示す。また、これらのピークは接着剤の緩和時間が増大・減少すればそれぞれ低速、高速へシフトすることも実際的に確認した。次に、PVA_C(E)およびEVA_C系ホットメルト接着剤については種々の温度および負荷条件下でクリープ実験を行った。その結果、接着系の寿命が温度上昇あるいは荷電増加にともなって短かくなってゆく過程を定量的に追跡することができた。そしてこの傾向はレオロジー的に統一的に整理ができるものであるとの結論を得た。この方面のデータが更に蓄積され、理論がより体系化されてゆくことを期待している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.Motohashi;B.Tomita;H.Mizumachi;S.Sakaguchi: Wood and Fiber Sci.16. 72-85 (1984)

  • [文献書誌] A.Takemura;B.Tomita;H.Mizumachi: J.Appl.Polymer Sci.30. 4031-4043 (1985)

  • [文献書誌] A.Takemura;B.Tomita;H.Mizumachi: J.Appl.Polymer Sci.31. 1351-1362 (1986)

  • [文献書誌] A.Takemura;B.Tomita;H.Mizumachi: J.Appl.Polymer Sci.32. 3489-3498 (1986)

  • [文献書誌] Y.Hatano;B.Tomita;H.Mizumachi: Holzforschung. 40. 255-258 (1986)

  • [文献書誌] H.Mizumachi;Y.Hatano: J.Adhesion. 21. 251-260 (1987)

  • [文献書誌] 山口章三郎 監修: "「接着・粘着の辞典」水町執筆"I.4.接着・粘着のレオロジー"" 朝倉書店, 38-56 (1986)

  • [文献書誌] 池上皓三,遠藤剛,永田宏二,水町浩 編: "「新しい接着剤の開発と応用」水町執筆"接着の科学"" シーエムシー, 1-11 (1987)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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