研究課題/領域番号 |
62470133
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柴崎 正勝 北海道大学, 薬学部, 教授 (30112767)
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研究分担者 |
袖岡 幹子 北海道大学, 薬学部, 助手 (60192142)
森 美和子 北海道大学, 薬学部, 助教授 (80001981)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | シリルジエノ-ルエ-テル / プロスタサイクリン誘導体 / βーラクタム / クロムカルボニ錯体 / コッパ-トリフレ-人 / 異性化反応 |
研究概要 |
最終年度は、以下に要約する5つの研究成果を得た。(1)ニレプロスとはプロスタサイクリン安定類緑体であり、新していタイプの抗潰瘍剤として期待されている物質である。しかしながらその工業的合成法に難があった。我々は、共役ジエンのパラウジウムー炭素触媒による還元ー異性化反応を見いだし、本手法を用いてニレプロストの大量合成法を確立した。(2)上記手法は、ニレプロストの関連関質であるエステル置換プロスタサイクリンの合成にも適用することができた。(3)シリルジエノ-ルエ-フルは、ジ-ルス・アルタ-反応のジエンとして活用されている物質であるが、その立体化学を制御した合成はこれまでのところかなり因難であった。我々は、ナフタレンクロムトリカルホニル錯体を用いた共役ジエンの高選択的異性化反応により、本問題点を解決した。 (4)βーアミノチオ-ルエステルからβーラクタムを合成する手法の開発は、抗生物質合成上極めて重要な工程である。我々は、 本問題点をコッパ-トリフレ-トを活性することにより解決し、βーラクタム抗生物質の合成をかなり容易なものとすることができた。(5)触媒的不斉合成の開発は、現代の有機合成化学の研究中大きな研究課題の一つである。我々は、触媒的不斉合成のうち、炭素ー炭素結合生成反応に焦点を紋り検討を続けてきたが、平成元年度においてヘック反応を適用する触媒的不斉炭素ー炭素結合生成反応に成功し、本手法を用いて二環式化合物の触媒的哲斉合成に成功した。今後は、天然物の触媒的不斉合成への応用、モルヒネの触媒的不斉合成へ展開してきたいと考えている。
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