研究分担者 |
藤木 博太 国立がんセンター研究所, がん予防研究部長, 部長 (60124426)
矢崎 一史 岡山大学, 薬学部, 助手 (00191099)
波多野 力 岡山大学, 薬学部, 助手 (50127578)
毛利 和子 岡山大学, 薬学部, 助手 (20032823)
吉田 隆志 岡山大学, 薬学部, 助教授 (20025696)
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研究概要 |
発癌プロモーション抑制効果を有するタンニンを広く植物界に求め,抽出単離して化学構を決定する実験において, 本年はまず中国産のバラ科の薬用植物 刺梨Rosa roxburghii.f.normalis,フウLiquidambar formosana,グアバPsidium guajava, 柿Diospyros Kaki,シコンノボタンTobou china semidecanara,ヨモギ類Artemisia sp.,喜樹Camptotheca acuminata その他のら加水分解性タンニンオリゴマーをはじめ,多種類の新タンニンを単離して構造決定した. それらの中には加水分解性タンニンの構造に縮合型タンニン分子の構成ユニットであるカテキン類が縮合した化学構造を有する新種の"複合タンニン"数種の存在をも認めた. またこれらのタンニンおよびポリフェノール類による発癌プロモーション抑制効果について, ペンタガロイルグルコースによる効果に加えて,(ー)エピガリコカテキンガレート(EGCG)による著しい抑制効果とその作用機序を,マウスの皮膚における2段階化学発癌実験によって明らかにすると共に,EGCGが十二脂腸における多段活発癌実験においても顕著な抑制効果を示すことを見出した. なお,これらのタンニンについて,発癌抑制効果とも関連すると見られる抗炎症効果等の諸作用をも見出している.
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