研究分担者 |
柳谷 由己 帝京大学, 薬学部, 教務職員 (10200544)
渡邉 信英 帝京大学, 薬学部, 教務職員
本田 雄 帝京大学, 薬学部, 助手 (60173663)
鳥澤 保廣 帝京大学, 薬学部, 助手 (80119601)
橋本 俊一 帝京大学, 薬学部, 助教授 (80107391)
|
研究概要 |
昭和62年度に行なった研究成果について, どの研究もそれぞれ苦労した点はあり, 進行速度は遅れたが比較的順調に進展し, 当初の計画に沿った形で成果を上げることができた. 1)強い血栓溶解作用を持ち, 脳血栓治療薬や予防薬としての医薬開発が期待されるイソカルバサイクリンの新規合成法開発を目的とした合成中間体で他の生理活性天然物合成にも役立つビシクロ[3.3.0]オクテノンを新しい転位反応の発見とその反応を応用して, 効率よく合成する方法を確立した. 2)別のイソカルバサイクリン合成中間体である5/5縮合環βーケトエステルを新しく開発した反応であるRhーカルベノイドのCーH挿入反応を応用して合成する方法を確立した. 尚, 光学活性中間体についても検討を加え成功した. 3)これらの合成中間体からのイソカバサイクリンへの変換を確立した. 4)フラン環が縮環した新しい三環性プロスタサイクリン類縁体に合成は, 縮環フラン環の構築に手間取ったが, 合成手段の改良を含め当初の計画通りに成功した. 5)ロイコリエンB_4やリポキシンのコンフォメーションを固定する分子設計に関連して, これら物質の合成に利用する芳香族環への新しはC/C結合形成反応が硫黄の特性を活かして開発できた. この反応の詳細を検討すると同時に, ロイコトリエンB_4類縁体の合成に応用している. 6)新しいαーおよびβーグリコシル化反応の開発をまづ当面の目標として行なってきたが. 特に, αーグリコシル化において, 従来法よりはるかに優れた高選択的グリコシル化反応を開発することができた.
|