• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

高分子化合物による洗剤用酵素の安定化とそのビルダー効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62470145
研究機関大阪市立大学

研究代表者

佐藤 昌子  大阪私立大学, 生活科学部, 講師 (80047232)

研究分担者 皆川 基  大阪私立大学, 生活科学部, 教授 (10046899)
キーワード高分子化合物のビルダー作用 / プロテアーゼ活性 / リパーゼ活性 / 酵素洗剤 / イオン性 / 非イオン性モノマー共重化合物 / スチレンスルホン酸系化合物 / 2-ヒドロキシエチルメタクリレート / 汚れの除去
研究概要

ビルダーは高いキレート能よりもむしろ酵素活性の安定性を重要機能として設計することの必要性を示唆した62年度の結果に基づき、63年度はイオン性のスチレンスルホン酸ナトリウム;メタクリル酸ナトリウム60:10共重合体にさらに2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、ならびにビニルアセテートなどの非イオン性モノマーをモル比約30%で共重合させた高分子化合物(イオン性/非イオン性モノマー共重合体)を新たに設計し酵素活性の安定性、ビルダー作用の両面より検証した。
イオン性/非イオン性モノマー共重合体のCa^<2+>結合能、固体粒子(親水性酸化鉄(III)、疎水性フェリックオキシネート)にたいする負の電位向上効果、分散安定性などのビルダー作用をそれぞれCa^<2+>選択性電極、顕微鏡電気泳動法、自動粒度分布測定装置により測定した。またゼラチン/酸化鉄(III)トリオレイン/フェリックオキシネート複合汚染布からのそれぞれの汚れの洗浄性と酵素(プロテアーゼ、リパーゼ)の相対活性率の関係を検討した。非イオン性モノマーを共重合するビルダーはイオン性モノマー同士の共重合体スチレンスルホン酸系化合物にほぼ等しい高分子電解質としての特性を持つ。一方リパーゼ活性に及ぼす影響はイオン性共重合体と非イオン性共重合体の丁度中間的特性を示しイオン性モノマー共重合体よりも酵素疎害作用が緩和される。特に2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体は疎水性の非イオン性基によって吸着能(表面張力低下能)を増し、Ca^<2+>結合能、吸着による粒子の電位効果とともに立体保護作用によって粒子汚れに対する優れた分散安定性、汚染防止作用、洗浄性を示し、一方リパーゼ活性に対する阻害作用も小さいことが認められるなど多機能をあわせ持つ優れたビルダーであることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐藤昌子: 繊維製品消費科学会誌投稿予定.

  • [文献書誌] 吉川研一: 日本繊維製品消費科学会昭和63年年次大会発表要旨. 30-31 (1988)

  • [文献書誌] 吉川研一: 油科学、第20回洗浄に関するシンポジウム講演要旨集. 202-209 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi