研究概要 |
1.教育研修所における理科研修の実態調査 山口県及びその近県の「教育研修所」における新任教員を含む現職教員に対する理科についての研修の実態調査を行った. その結果,各県共, 多くの研修が実施されていることが分かった. しかし,限られた人員で研修をこなすため,内容が希薄になるので,大学における現職教員の研修実施が望まれていることが明かとなった. 2.若年教員における問題点の解明 山口県の若年教員の「理科」の指導における問題点を明らかにするため,若年教員と指導的立場の教員に対してアンケート調査を行った. その結果,若年教員は小・中学校共実験準備の時間不足が障害であり,指導要領改訂の際に理科の時間増を望んでいることが分かった. 指導的立場の教員からは,理科における基礎的知識,指導上の技術及び生徒の把握が若年教員に不足しており,研修をする機会に恵まれていない問題点が指摘された. 3.小学校教員養成課程の学生における問題点の解明 山口大学教育学部小学校教員養成課程の学生の学部進級以前の理科の覆修の実態を調査した結果,高校では化学と生物の覆修が多いことと,教養部では化学の覆修が少ないことが分かった. 学生の提出したレポートを解析すると,濃度概念,モル概念,化学反応式に対する理解と実験を企画する能力の不足していることが明かとなった. 4.小学校教員養成課程の学生に対する指導内容の改善 本学部の小学校教員養成課程の学生に対する理科の教職専門科目の化学領域の内容を改訂した. 従来行ってきた指導要領の内容を網羅する方式から,溶解教材に的を絞ったものに変更し,併せてテキストの改訂を行った. このテキストを来年度出版する予定である.
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