研究概要 |
主としてカニクサ配偶体,胞子体をもちいて以下の実験を行った. 1.配偶体からのプロトプラストの単離及び培養条件の検討 Murashige & Skoogの培地(M.S.培地)に2%しょ糖を加えた寒天培地上にカニクサ胞子をまき,約4週間育てた成熟配偶体からプロトプラストを単離した. 単離条件としては,セルラーゼRー10 2.8%,マセロチームRー10 0.5%,PH5.0,25℃,100RPMの旋回振とうで最高の収率を得た. 培養には,M.S.無機培地にNAA,BA,0.5%しょ糖,マニトールを加えた培地をちもちい,培養開始後7日目に最初の細胞分裂が,1ヶ月直径約0.5mmのコロニーを,2ヶ月で1.0mmのコロニーが形成された. 2.胞子体からのプロトプラストの単離及び培養条件の検討 寒天培地上に育てた配偶体上に生じた,若い胞子体からプロチプラストを単離した. 単離条件は,セルラーゼRS1%,マセロチームRー10 1%,PH5.2,25℃,60RPMの旋回振とうが最適であった. 培養には,配偶体の培養とほぼ同一の培地を用い,暗所25℃においたところ培養開始後,約2週間目にプロトプラストの分離が認められた. しかし,それ以上の細胞の増殖は認められなかった. 3.プツトプラストの融合条件の検討 上述の方法で単離した配偶体由来プロトプラスト(単相n)と胞子体由来プロトプラスト(複相2n)を融合させ3n体の形成と,その分裂・分化を追求することを目的として,プロトプラストの電気的融合を試みた. 3,000KHz,20V(pーp)の電気パルスを与えることにより高頻度の融合に成功した.
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