研究概要 |
1.福井県のヘビイチゴ属各倍数体の頻度についての調査: 233ヵ所で採集し, 2倍体145(62.2%), 7倍体8(3.4%), 8倍体3.6(15.5%), 12倍体44(18.9%)であった. 2.三重県のヘビイチビの各倍数体の頻度についての調査: 222ヵ所で採集し, 2倍体162(73.3%), 8倍体7(3.2%), 12倍体52(23.5%)であった. 3.両県における各倍数体の地理的分布, および生態的分布調査:2・12倍体は分散して分布し, 7・8倍体はある程度集中して分布することがわかった. 各倍数体と標高との間に頻著な関連は見られなかった. 従来の結果と同じく, 2倍体は陽地に多く, 12倍体は半日陰に多く生育していた. 1.2.3については, 日本植物学会第52回大会, 筑波大学にて発表した. 4.ヘビイチゴ属植物の核型の研究は続行中である. 5.花のネクターガイド(花弁基部のUV吸収)の有無の調査は終了した. ヘビイチゴとヤブヘビイチゴに来る訪花伍虫は, 9ヵ所につき調査し, 昆虫の同定出来るものは同定を終了した. この成果を雑誌に投稿するための原稿は書き上げた. 6.ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの種子は, 現在9ヵ月後の発芽実験中であるが, 面白い発見(両種で光や変温効果に対する反応の違いや時間とともに種子発芽条件の変化)があった一方, 残念に思うこと(実験に使用した種子の数がすくなかった)もあった. これは昭和63年度に再実験する予定である.
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