1。昭和62年度からの続きとして、ヘビイチゴ属植物の染色体数の調査。 新潟県に集中して採集調査した結果は、156箇所のサンプルを得た。それらの染色体数を調べたところ、2倍体86カ所、7倍体3カ所、8倍体14カ所、12倍体53カ所であった。 コペンハ-ゲン、ジュネ-ブ、及びグラスゴ-で栽培されていたヘビイチゴ属植物の種子や、ヒマラヤのネパ-ルで採集した種子からの植物についても調べた結果、すべて12倍体であった。中部日本でのヘビイチゴ属の倍数体の地理的分布はこれで一応終了した。その結果、福井県と佐渡を中心に、7倍体と8倍体の雑種が高頻度に分布し、太平洋側になると少なくなるという地理的勾配を示すことが判明した。 2。詳細な外部及び内部形態のヘビイチゴ属4分類群の比較研究。 ヘビイチゴでは葉身の柵状組織が1層であるのにたいして、ヤブヘビイチゴでは2層であったなど、ヘビイチゴ属の4分類群を詳細に比較した結果、ヘビイチゴとヤブヘビイチゴには形態上差が見られ、7倍体と8倍体雑種はそれらの中間か、又はヤブヘビイチゴに似ていた。 3。花弁及び花のフラボノイド成分の分析。 ペ-パ-クロマトグラフィにて、花弁及び葉のフラボノイドの分離を行ったが、テ-リングが激しくよい結果を得られなかった。 4。今後の研究計画 フラボノイド成分の分析には液体クロマトグラフィを使用し、行う予定である。
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