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1987 年度 実績報告書

ウニ卵割期におけるS期調節の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 62480015
研究機関東京大学

研究代表者

嶋田 拓  東京大学, 理学部, 助教授 (70011559)

研究分担者 赤坂 甲治  東京大学, 理学部, 助手 (60150968)
キーワードウニ / 卵割期 / 細胞周期 / DNA複製 / ジアデノシン四リン酸 / 核マトリクス / トポイソメラーゼ
研究概要

卵生動物胚では卵割期の細胞周期を極めて短く, 胞細胞は短いS期を繰り返えして急速に増殖する. 胞胚期になるとS期は伸長し, GaP期も出現し, その後, 発生に伴って細胞周期は体細胞型に変わって行く. このように極端に大きなS期変化が認められるのは卵生動物の卵割期のみである. 私はウニ胚をもちいて, (1)卵割期にS期を短い間隔で次々に開始させるシグナルは何か, (2)卵割胚でDNA複製が極めて短時間(約10分)に完了するのはどんなしくみによるのか, という2つの方向から卵割胚のS期制御機構の解明をめざしている. 今年度の研究の成果は以下の通りである.
(1)S期開始シグナルの研究. これまでの研究で, ウニ卵割胚では細胞内のジアデノシン四リン酸(AP_4A)量がS期開始直前に激減し, S期開始後に元のレベルに復すること, S期開始期に核マトリクスのAP_4A結合能が一時的に増大することを見出した. 今年度は, AP_4A結合蛋白質の核マトリクスからの単離を目的として, ^3HーAP_4A核マトリクスを混合後, UV照射によって^3HーAP_4Aと結合蛋白質を架橋し, SDSゲル電気泳動法で結合蛋白質を分画した. 約70000KDと25000KDの2種のAP_4A結合蛋白質があった. 前者はラミンであろう. いずれも現在精製中である. なおウニ卵割胚にはAP_4A分解酵素が存在するが, その活性は細胞周期に伴って変動しない. 未受精卵中には本酵素を阻害する蛋白質因子が見出された. AP_4Aの細胞周期に伴う変動は分解酵素によるものではないと考えられる.
(2)ウニ卵割胚DNAの超らせん化に関する研究. これまでの研究で, ウニ卵割胚ではDNAに負の超らせん化領域が多いことを見出している. 超らせん化に関与する酵素としてトポイソメラーゼIIの検出を行った. ウニ胚のトポイソメラーゼII活性は他の細胞に比して低く, 非常に不安定であった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 森岡瑞枝: Experimental Cell Research. 169. 57-62 (1987)

  • [文献書誌] 嶋田拓: Development,Growth and Differentiation. 29. 417-425 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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