研究課題/領域番号 |
62480015
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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キーワード | ウニ胚 / 細胞周期 / DNA複製 / アリールスルファターゼ / AP_4A / 遺伝子クローン化 / 核マトリクス / 発生 |
研究概要 |
(A)AP_4A結合蛋白質の研究。32細胞期のウニ胚から単離した核をヌクレアーゼ処理後2MNaClで抽出して核マトリクスを調整した。この核マトリクスを^3H-AP_4Aと氷中でインキュベートした後、UV昭射してAP_4Aと核マトリクス蛋白質の結合を架橋した。これをSDSゲル電気泳動してからゲル片を切り出し、各ゲル片の放射活性を測定してAP_4A結合蛋白質を検索した。その結果、ウニ胚核マトリクスには23Kdaおよび70Kdaの2種の異なるAP_4A結合蛋白質があることがわかった。高分子量成分(70Kda)は核ラミンであろうと考えている。23KdaのAP_4A結合蛋白質は核マトリクスを低イオン強度緩衝中で超音波処理すると核マトリクスから容易に可溶化される。現在この蛋白質の精製を進めている。 (B)S期の長さの制御機構の研究。ウニやショウジョウバエで卵割期胚細胞のS期が成体細胞のS期に比べて極めて短いのは、ゲノムDNA上の複製開始点の数が卵割期には極めて多いためと考えられている。卵割期胚細胞のDNA上では複製開始点が数Kbごとに活性化していると推定されている。ウニのアリールスルファターゼ遺伝子は全長約20Kbで、卵割期には数個の複製開始点をもつと思われ、発生に伴う複製開始点数の変動を研究するためのDNA断片として好適である。本年度はウニ胚から精製したアリールスルファターゼのアミノ酸配列を利用してアリールスルファターゼcDNA及び遺伝子をクローン化し、それらの塩基配列を決定した。今後は、卵割胚細胞およびプルテウス細胞をS期にBrDuでショートパルスし、抽出したBrDuラベルDNAをアリールスルファターゼ遺伝子とハイブリダイズさせることによって本遺伝子上の複製開始点数の変動を調べる予定である。
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