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1987 年度 実績報告書

節足動物の視覚系における特徴抽出機構の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480018
研究機関九州大学

研究代表者

立田 栄光  九州大学, 理学部, 教授 (10037179)

研究分担者 水波 誠  九州大学, 理学部, 助手 (30174030)
藤 義博  九州大学, 理学部, 助教授 (60037265)
キーワード昆虫 / 単眼 / 視覚ニューロパイル / 視神経叢 / 運動検出ニューロン
研究概要

本年度はハンミョウの幼虫とハエトリグモの単眼視覚系の微細構造学的解析と特徴抽出視覚ニューロンの生理形態的同定を目的とした. ハエトリクモについては現在実験途中であるので, 当初の目的に沿った結果が得られたハンミョウの幼虫の視覚系について報告する. 本研究ではまずハンミョウ幼虫の単眼視神経叢の形態を調べた. 幼虫は6対の単眼を持つが, 遠位側の視神経叢であるlamina,medullaでは個々の単眼のニューロパイルは独立している. 第1層のlaminaは柵状構造からなり, 視細胞軸索がここで第2次ニューロンに繰返えしシナプスすることが明らかになった. 第2層のmedullaの上層ではlaminaから延びてきた2次ニューロンが3次のニューロンにシナプスすると同時に, 水平方向のニューロン間の連絡, 逆向性のシナプスが観察された. 第3層のlobulaシナプス層というよりも脳と視神経叢を連絡するニューロンの突起の集合体である. lobulaのニューロンから細胞内記録をし, 螢光色素でそのニューロンの全体像を明らかにした. その結果lobulaニューロンは扇状の樹状突起をmedulla下層に送っていることが明らかになった. 樹状突起の広がりは, 1個の単眼のmedullaの一部,全体,あるいは2個の単眼の各々のmedullaに広がるものなど多様であった. これらの軸索は視神経を経て前大脳まで延びること, その終末部位も極めて多様であることが明らかになった. lobulaニューロンの多くは光の点滅,物体の動きに対して応答することが明らかになった. 要約すると, lamina層では視細胞から2次ニューロンへの信号の伝達, medulla上層では2次ニューロンから3次ニューロンへの伝達と共に,運動検出に必須な側抑制等の信号処理,最後にこれらを基にして, medulla下層でlobulaニューロンに物体の運動や光の点滅のみが情報として渡され,脳に伝えられる. 来年度はlamina,medulla層の神経機構とlobulaニューロンの関係を解析したい.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 藤義博: 生物教育. 27(2). 93-98 (1987)

  • [文献書誌] M.Mizunami: J.Exp.Biol.130. 259-274 (1987)

  • [文献書誌] Y.Toh: J.Electron Microsc.36. 213-223 (1987)

  • [文献書誌] K.Yamana: J.Exp.Biol.131. 205-213 (1987)

  • [文献書誌] M.Mizunami: J.Exp.Biol.

  • [文献書誌] Y.Toh: J.Comp.Neurol.

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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