研究課題/領域番号 |
62480041
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
福富 久夫 日本大学, 農獣医学部, 教授 (30009302)
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研究分担者 |
葉山 嘉一 日本大学, 農獣医学部, 専任講師 (00139049)
勝野 武彦 日本大学, 農獣医学部, 助教授 (20060014)
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キーワード | 都市緑地 / 樹林地保全 / 斜面緑地 / 都市計画区域 / 景観保全 / 小生態系 |
研究概要 |
丘陵地形などを中心に樹林が残されている都市のうち、ほぼ全域が都市計画地域に含まれる都市として、関東・中部・近畿の各圈域を中心に基礎資料を収集した結果、相互比較が可能なものとして32都市を取り上げることができた。これらについて、樹林規模・地形条件・土地利用・人口規模・中核都市からの距離といった項目について相互の関連性を検討した結果、樹林の残存規模により都市の性格が異なっていることが明らかになった。各都市における樹林率は約3%〜約55%と幅があるが、約25%を境界としてそれ以上樹林が存在する都市とそれ以下の都市とに区分された。前者は11都市あり山地・丘陵地を中心とした地形を有し、都市規模が小さく、住宅率・耕地率が低く、内陸部に位置する都市が多かった。後者は21都市あり台地・低地を中心とした地域に存在し、都市規模が大きく、宅地率や耕地率が比較的高く、内陸部と臨海部とに位置する都市がほぼ同数であった。また特に樹林率の低い都市は臨海部に位置する都市であった。また中核都市からの位置により人口密度等の条件が異なり、樹林の存在に影響を与える傾向が明らかになった。 つぎに内陸丘陵型の事例として横浜市内陸部において、樹林地の自然資源としての質について実施調査を行った。内容は植生・動物相に関するものであり、植生と小動物の生息の関係についての分析や、水系条件と小動物の生息との関係、といった項目について季節的な相違を考慮した調査を行い、それぞれの項目に関して現在解析中である。これらの問題を明らかにすることより、都市内樹林地の保全と利用に関して基本的指針を提案することが可能である。
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