研究概要 |
1.レンゲ根粒菌の宿主特異性をレンゲ, アルファルファ, クローバー, インゲン, ダイズに対する根粒形成の有無, 菌の根毛先端への付着, 感染糸の形成等を各段階で調べた. その結果レンゲのみにレンゲ根粒菌の付着, 感染糸の形成, 根粒形成が観察された. しかし他の植物に対しては菌の付着も見られなかったので, かなり高い宿主特異性を有することが明らかになった. 次にレンゲ種子を粉末にし, 緩衝液で抽出後, 30〜70%硫安飽和画分を得てこれを粗レンゲレクチンとした. この画分はレンゲ根粒菌を強く凝集させたが, 他の根粒菌に対しては弱い凝集または全く凝集を起こさなかった. 粗レクチンはヒトートリプシン処理赤血球のO型のみと反応し, A, B, AB型を凝集しなかった. この画分をDEAEーCellulose, CMーCelluloseにより約30倍に精製した. 2.ダイズの根粒菌着生種(Rj1)と非着生種(rj1)の根の抽出液とダイズ種子レクチンに対する抗体を用いて, ウェスタンーブロッテイング法により検討したが, 両者の間で差異はみられなかった. ダイズ根粒菌は根粒菌着生種(Rj1)と非着生種(rj1)の根毛の先端部へ付着したが, 非着生種ではカーリングが起こらなかった. 次に両者の根の可溶性タンパク質抽出液を2次元ポリアクリルアミド電気泳動により検討した. また両者からの根の浸出液を濃縮, 除タンパクしてろ過したものを, 逆層高速液体クロマトグラフィーで分析した. その結果両者の間に差が認められた. 3.String bean, Rice bean, Baguio bean, Winged beanの根粒より根粒菌を分離しその性質を調べた. また根粒の形成を調べたところ, Winged beanは他のものと異なり, 数は少なく, 大きい根粒を形成した. これらの根粒の共生窒素固定活性を測定した.
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