1.レンゲ根粒菌の宿主特異性。レンゲ菌を他のマメ科植物に接種し宿主特異性を調べたが、レンゲ以外の植物根には菌の付着も見られなかった。レンゲ種子よりレクチンを抽出し、種々の根粒菌との凝集反応を調べたが、レンゲ菌のみと反応した。このレクチンを硫安分画、DEABーCMーセルロース処理により約30倍に精製した。次に、レンゲ菌より巨大プラスミドの分離を試みR.sp KohnosuとR.sp Naganoでそれぞれ2種のプラスミド(pRko1、pRko2、pRna1、pRna2)を得た。それらの分子量はそれぞれ72.7、201、112、293Mdと算定された。これらのプラスミド上にニトロゲナーゼをコードする遺伝子が存在するかどうかをnifDとのハイブリダイゼーション法で検討したところpRko1上に存在する可能性を見いだしたが、Nagano菌についてはクロモゾームDNAとも反応した。 2.ダイズの根粒菌非着生種(rj1)。rj1とRj1の根の抽出液についてレクチン抗体法により差異を調べたが差異は認められなかった。光顕法により根粒菌の両者の根毛への付着を調べたが同様に付着した。しかし、rj1ではカーリングは認められなかった。次に、両者の根に含まれているタンパク質、可溶性画分を比較したが有意義な差は認められなかった。 3.熱帯マメ科植物の根粒菌。Pole sitao、winged bean、rice beanなどの根粒より菌を分離しての宿主特異性を調べた。Pole sitao菌はBradyrhizobium(SAk)であり、winged bean菌はSAkとRhizobium(FAc)が認められたが、rice bean菌はFAkと中間的な性質を示した。相互接種法で調べるとかなり広い宿主特異性を持つものと考えられた。しかし、菌種により植物の栽培品種により共生窒素固定能にはかなりの差が認められた。これらの植物間で窒素固定活性を比較した。Pole sitao、winged beanの根粒からヘモグロビンを分離し解析した。
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