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1988 年度 実績報告書

ゼニゴケ葉緑体におけるトランススプリット遺伝子の情報発現メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 62480056
研究機関京都大学

研究代表者

大山 莞爾  京都大学, 農学部, 助教授 (40135546)

キーワードゼニゴケ葉緑体 / エキソン / イントロン / トランススプライシング / リボソームタンパク質遺伝子 / RNAプロセシング
研究概要

ゼニゴケ葉緑体ゲノムの全塩基配列より、特記すべきことはリボソームタンパク質遺伝子rps12が2本のDNA鎖に分断され存在して発見されたことである。すなわちリボソームタンパク質遺伝子rps12は3つのエキソンと2つのイントロンから構成され、エキソン1とそれにつづくイントロンの一部が60Kbp離れて、反対のDNA鎖に見いだされた。これは生体内で初めて発見された新しい分割方式の遺伝子である。この新しい機構はトランス・スプライシングと呼ばれ、通常のシス・スプライシングと区別され、このような遺伝子発現方式が葉緑体に存在した生物学的意義は大変興味深い。本年度は、ゼニゴケ葉緑体よりRNAを単離精製し、種々の合成デオキシヌクレオチドを用いたノーザンハイブリダイゼーション法、また、S1マッピング法により、トランススプライシングのプロセスを明らかにした。rps12エキソン1を含む転写物はその上流のアミノ酸203個からなるORF203から、下流に存在するリボソームタンパク質遺伝子rp120まで転写され、直ちに、ORF203と12エキソン1の間でプロセシングが起き、エキソン1を含む前駆体が、一つのトランススプライシングの基質になること、一方、rps12エキソン2およびエキソン3を含む転写物は上流は逆向き繰り返し配列から転写が始まり、下流にはリボソームタンパク質rps7およびNADH脱水素酵素のサブユニット遺伝子ndh2、ロイシン転移RNAまで続き、rds7とndh2の間でプロセシングが起き、rds12エキソン2およびエキソン3、rds7を含む前駆体が、もう一つの基質となることを明らかにした。さらに、スプライスされた成熟mRNAは、DNA塩基配列から予測される配列、すなわち、イントロンが削除された配列をもつ合成オリゴデオキシヌクレオチドを、プローブとして検出し、確かにトランスとシス・スプライシングは各々独々して起きていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Fukuzawa;T.Yoshida;T.Kohchi;T.Okamura;K.Ohyama: FEBS Lettets. 220. 61-66 (1987)

  • [文献書誌] K.Ohyama;T.Kohchi;T.Sano;Y.Yamada: Trends in Biochemical Sciences. 13. 19-22 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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