研究課題/領域番号 |
62480076
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
兼松 重任 岩手大学, 農学部, 教授 (50003744)
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研究分担者 |
橋爪 力 岩手大学, 農学部, 助手 (60124533)
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キーワード | 成長ホルモン / プロラクチン / 黄体形成ホルモン / VIP / CCK / 成長ホルモン放出因子 / 下垂体 / 視床下部 |
研究概要 |
1.神経ペプチドの家畜の黄体形成ホルモン(LH)、プロラチン(PRL)、及び成長ホルモン(GH)の放出に及ぼす影響をみるため、屠場において牛の視床下部及び下垂体を採取した潅流系にかけた。牛と同じ反芻動物で牛の実験モデルとされている山羊も研究室において材料を採取し、同様に実験に供した。神経ペプチドのうち試験に用いたのはvasoactive intestinal peptide(VIP)、Substance P(SP)、GH放出因子(GRF)、コレシストキニン(CCK)、ペプタイドヒスチジンイソロイシン(PHI)、セクレチン、Angiotensin II(AII)で、そのほか牛の下垂体後葉抽出物も試験に用いた。潅流液に含まれるLH、PRL及びGHはラジオイムノアッセイ(RIA)で測定した。(1)潅流系において、VIPは牛の下垂体前葉を直接作用して10^<-6>Mから10^<-8>Mまでの濃度で用量に依存したGHを放出したが、VIPの潅流中止後には直ちにGH放出量は低下した。これに対しGRFは10^<-6>Mから10^<-11>Mまでの濃度で、用量に依存したGH放出を起こした。また10^<-6>Mから10^<-8>Mまでの濃度ではGRFの潅流中止後にも、少なくとも80分間は高濃度のGHを放出し続けることが明らかになった。(2)山羊では同様の潅流系において、VIPは10^<-6>Mから10^<-9>Mの濃度で用量に依存したGHの放出を起こした。(3)去勢雄牛の視床下部-下垂体のin vitro潅流系にCCKを作用させたことろ、10^<-8>Mの濃度ではLHの放出を有意に抑制した。しかし、10^<-6>Mの濃度では逆にLHの放出を有意に増加させた。これらの中間のCCK濃度10^<-7>Mでは極めて弱いLH放出を示したのみであっ。(4)PRL放出に関しては、視床下部-下垂体のin vitro潅流系ににいて神経ペプチドのうち、SPは抑制、ラットではPRL放出能力があるとされるVIP、CCK、PHI、AIIは無効であった。著しいPRL放出を起こしたのは下垂体後葉抽出物のみであった。この抽出物中に牛のプロラクチン放出因子が含まれる可能性が高い。
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