研究課題/領域番号 |
62480079
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤岡 俊健 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023390)
|
研究分担者 |
横山 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023388)
大森 保成 名古屋大学, 農学部, 助手 (60152261)
渡辺 徹 名古屋大学, 農学部, 教授 (30023427)
|
キーワード | 反芻家畜 / 副腎神経節 / 神経ペプチド / 副腎髄質 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
ヤギの副腎を4%パラホルムアルデヒド液で灌流固定し、パラプラスト包埋して、副腎に分布する神経要素並びに副腎実質細胞が、如何なる神経ペプチドを含むかを免疫組織化学的に検索した。神経ペプチド抗体としては、コレシストキニン(CCK)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(cGRP)、ロイシン・エンケファリン(lーENK)、メチオニン・エンケファリン(mーENK)、神経ペプチド・チロシン(NPY)、ニューロテンシン(NT)、膵臓ペプチド(PP)、P物質(SP)、血管作用性腸ペプチド(VIP)及びセロトニン(5ーHT)を用い、PAP法で免疫染色した。副腎神経節細胞はmーENK抗体には陽性であったが、この細胞を包む節前線維終末はmーENK、SP、lーENK、NPY、SOM及び5ーHT抗体に陽性反応を示し、節前線維の多様性が推察された。副腎被膜外を走る神経線維束はmーENK、cGRP、lーENK、NT、及びSP抗体には陽性を示し、それは副腎神経節細胞を包む節前線維の神経ペプチドと一部相異しており、それぞれの由来を免疫電顕や切断実験により解明する必要がある。比較のためにブアン液に浸漬固定したウシの副腎では、副腎神経節細胞内に点状のmーENK、NPY抗体陽性反応物が見られ、粗面小胞体と推察された。副腎神経節細胞にはcGRP陽性反応は見られなかったが、副腎神経節内の一部の神経線維、被膜外神経線維束及び実質内神経線維はcGRP抗体に陽性を示し、副腎に直接分布する節後線維と推測された。被膜内にあるいわゆる未分化皮質細胞塊が、mーENK、lーENK、NPY及び5ーHT抗体に陽性反応を示したが、これが非特異的反応か、或いは特異的反応であり、未分化細胞に特有なものかはエスカレター説の是非も含めて、今後充分検討されるべき課題である。副腎髄質の浅層、多分A細胞は、lーmーENK抗体に強陽性反応を示し、一方深層多分NA細胞は、cGRP、NPY、NT、SOM、SP、及び5ーHT抗体に対して弱陽性反応を示した。共通の神経ペプチドでも種によって、二つの異なった髄質細胞での局在に相異が見られた。これも今後検討すべき重要な課題である。
|