研究課題/領域番号 |
62480079
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤岡 俊健 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023390)
|
研究分担者 |
横山 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023388)
大森 保成 名古屋大学, 農学部, 助手 (60152261)
渡辺 徹 名古屋大学, 農学部, 教授 (30023427)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
キーワード | 反芻家畜 / 副腎 / 神経支配中枢 / 神経ペプチド / HRD法 / AChE組織細胞 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
副腎に分布する神経の中枢を知るため、ヤギの副腎にHRP.を注入した。標識細胞の大部分は副腎神経節に、一部分は交感神経幹神経節及び頚胸・腹腔・前腸間膜神経節にあった。この標識細胞は、節後細胞としての第一次中枢と推測された。また一部の脊髄神経節でも少数の細胞が標識され、副腎に知覚神経の分布が示唆された。更に胸・腰髄側角にも小数の標識細胞があり、交感神経系節前細胞と推察した。副腎が節前細胞により直接支配されるという所見には吟味の余地がある。副腎神経節の迷走神経への所属如何を含め、副交感神経系の副腎支配を解明すべきである。副交感神経節後細胞の伝達物質は、アセチルコリンとされているゆえ、副腎におけるAChE陽性の神経要素を、組織・細胞化学的に検索した。副腎神経節はAChE陽性で、そこからのAChE陽性線維が動脈に沿い被膜下で分枝するが、大部分は皮質を分枝せずに貫通し、髄質に達する。その多くは髄質に分布するが、一部は皮質に反回し、網状層で神経叢を作る。髄質細胞は非常に豊富なAChE陽性線維の分布を受け、その終末は少数の大型有芯小胞と多数の小型無芯小胞を含み、コリン作動性神経終末の特徴が解明出来た。網状層の神経終末もシナプス小胞から見て、コリン作動性である。従って副腎神経節は迷走神経の節後細胞群と推測される。副腎実質及びその神経要素に含まれる神経ペプチドの解明を、免疫組織化学的に行った。副腎神経節細胞はmーENK抗体に陽性であり、その周囲にはmー、lーENK、SP、NPY、SOM及び5ーHT抗体陽性構造が見られ、節前線維の多様性を示唆した。また副腎被膜の外を走る線維束の反応性から、副腎に直接分布する線維にcGRP及びNT陽性のものがある。副腎髄質浅層のA細胞にはmー、lーENKが深層のNA細胞にはcGRP、NPY、NT、SOM、SP、及び5ーHTが含まれるらしい。SEMでは皮質と髄質の毛細血管相互に直接の連絡はないから、アミンと神経ペプチドの共存解明は今後の課題である。
|