研究課題/領域番号 |
62480084
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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研究分担者 |
北村 延夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (70142792)
後藤 仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003072)
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キーワード | スクレイピ-病原体 / SAFの可溶化 / 解析 / 遺伝物質 |
研究概要 |
1.SARと病原体の関係を抗SAF抗体を用いた中和反応により検討したがSAFに対する抗体はスクレイピ-の感染に何ら影響を与えなかった。SAFと病原体は密接に関連するのか、非特異的に吸着しているかを、脾・リンパ節に感染性が出現する早期から、PrPも検出される否かにより検討した。脾は4週、リンパ節では6週から、発症に先立ってPrPが検出され、病原体とSAFは密接な関係をもっていることが示された。 2.SAFと病原体の関係を知るため、6種の有機溶媒に溶解したが、何れも極微量溶解するにすぎなかった。フタノ-ルを選び、溶解したSAFをカラムクロマトで分画し、PrPの検出された画分を蒸留水に戻し、電子顕微鏡による観察同時に動物接種を行なった。不完全ながらPrPが繊維状に再構成した蜘蛛の巣状の微細繊維が観察された。ブタノ-ル溶液を分画せずそのまま蒸留水に戻したものは病原性が確認されたが、分画したものでは現在なお観察中であるが発症していない。 3.SAFは膜に存在するPrPが界面活性剤処理により解離後、特異的に凝集して形成されるとされている。難溶性のSAFの形成を抑えるため界面活性剤を用ずに膜画分を尿素を用いて溶解、分画して可溶性のPrPを得ることを計画した。予想に反して、かなりのPrPが脳内ですでに大きな難溶性の凝集物として存在し、SAFはこの一部と尿素で解離する小さな凝集が界面活性剤により解れたものを精製していたと推定された。凝集物はアミロイドの性状である偏光複屈折を示した。 4.病原体精製画分中の遺伝物質を生物学的に検出するため、病原体精製画分をプロテア-ゼ処理し、フェノ-ル抽出により“核酸画分"を得た。この画分を導入したL細胞を2週間培養し、マウスに接種した。精製画分感染細胞の対照群は発症したが、実験群はスクレイピ-を発症せず、全て自然死した。ここで用いた検出感度ではスクレイピ-特異な核酸は検出出来なかった。
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