研究概要 |
本研究は、電圧パルス法ならびにポリエチレングリコール法を用いた細胞融合法を使用して、細胞分裂能力の欠如している神経細胞と、細胞分裂能力の大きな上皮性細胞とを融合させて、ハイブリッド細胞を作り、神経細胞由来の形質と、上皮細胞由来の形質とがそれぞれどのように発現して来るかを様々な研究手段を使用して調べることによって、神経細胞に特有な遺伝的は形質が、遺伝子の中にどのようにして存在し、また、いかにして発現して来るかを調べる手がかりを得ようとすることを目的としている。本研究の第一段階は、上皮性細胞に8アザグアニン耐性を得させる作業から開始された。多くの種類の上皮性細胞(ATCCのcell line)の中から、2種類の上皮細胞と1種類の神経芽腫細胞に8アザグアニン耐性を与えることが出来、またHAT選択性培地でほとんど大多類の細胞が死滅し、期待していた遺伝子修飾を行うことが出来た。本研究の第二段階は、8アザグアニン耐性細胞と、神経細胞の細胞融合であるが、神経細胞は、ニワトリ胚あるいは成熟マウスの脊髄後根神経節をユラゲナーゼ処理した後、24ー48時間、プラスティック培養皿の表面で無血清培養した細胞を使用した。すなわちこの細胞の育っている皿の上に、8アザグアニン耐性の細胞を密にまいて育てて、12時間后、白金電極よりパルスを加え、あるいはポリエチレングリコールによって細胞融合を生じせしめた。第三段階で、融合細胞における形質発現を調べた。特に神経細胞に特有な、ニューロフィラメントに対する抗体によって融合細胞を調べたところ、均一に形質発現が観られた。また、細胞内にガラス管を刺入してイオン形質発現を調たところ、十分長期間にわたってNa,Caチャネル、Kチャネル等が発現していた。こうして、本研究は
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