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1988 年度 実績報告書

Tumor Necrosis Factorの発熱機序

研究課題

研究課題/領域番号 62480112
研究機関山梨医科大学

研究代表者

入來 正躬  山梨医科大学, 医学部生理学講座, 教授 (90072967)

研究分担者 島田 義也  東京都老人総合研究所, 総合研究部, 研究員 (10201550)
橋本 眞明  山梨医科大学, 医学部生理学, 助手 (30156294)
永井 正則  山梨医科大学, 医学部生理学, 講師 (40110027)
キーワードTumor Necrosis Factor(TNF) / 発熱 / 発熱物質 / prostaglandin E
研究概要

Tumor Necrosis Factor(TNF)は、白血球産物の一つで抗腫瘍作用がある。そのほかに発熱作用がある。家兎に静注すると、少量では単峰性の発熱が、大量では2峰性の発熱がみられると報告されている。しかし現在までその発熱の機序についてはまだ明らかにされていない点が多い。一方、典型的な実験的発熱の研究には細菌外毒素又はその有効成分であるLipopolysaccharide(LPS)による発熱が用いられている。LPSによる発熱の内因性発熱物質として、TNFの他にインターロイキンやインターフェロンも候補とされている。そこでTNFの発熱の機序とTNFのLPS発熱における役割りについて研究することを目的として昭和62年、63年度研究を行って来た。得られた主な結果は次の通りである。
1) LPS投与後、1時間をピークとして血中TNF濃度が上昇した。
2) TNFの静脈内投与により直腸温が上昇した。
3) TNF抗体を投与すると、LPS投与後にみられる発熱過程で、投与2時間以降の発熱が著明に抑制された。
4) TNFの静脈内投与による直腸温上昇は、少量投与では約1時間をピークとする1峰性であり、大量投与では、約2時間以上経過してのち再び上昇をみる2峰性となる。1峰目の直腸温上昇は1〜50μg/kg静注で約1℃である。2峰目の直腸温上昇は用量依存性に増加する。1峰目と2峰目の発熱の機序が異なる可能性を示唆している。
5) TNFの静脈内投与による直腸温の上昇は、indomethacinの皮下投与によって抑制される。したがってTNF発熱に、prostaglandin Eなどアラキド酸代謝物が関与しているものと推定される。
明年度はさらに研究を進めて3ケ年に亘るTNF発熱機序についての研究を完結させたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nagai,M.;Saigusa,T.;Shimada,Y.;Inagawa,H.;Oshima,H.;Iriki,M.: Experientia. 44. 606-607 (1988)

  • [文献書誌] Iriki,M.: Jpn.J Physiol. 38. 233-250 (1988)

  • [文献書誌] Iriki,M.;Nagai,M.;Saigusa,T.;Watanabe,M.;Oshima,H.;Shimada,Y.: J Physiol Soc.Japan. 50. 614-614 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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