研究課題/領域番号 |
62480114
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中山 昭雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80022763)
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研究分担者 |
玉置 陽子 大阪大学, 医学部, 助手 (60141602)
田中 英登 大阪大学, 医学部, 助手 (60163557)
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 助教授 (50127213)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 体温調節 / 視束前野 / 温度感受性ニューロン / 炭酸ガス / 唾液分泌 / 運動 / 日内リズム / 性周期 |
研究概要 |
温熱ストレスに対して生体は自律性と行動性の体温調節を発現させる。このいずれか一方の反応を阻止すると、他方の反応がより強く作動するなど、両反応の発現が相補的であることは現象的に良く知られている。しかし両反応が同時に、あるいは継時的に発現する仕組みはほとんどわかっていない。ラットは高環境温下で多量の唾液を分泌する自律性反応と、その唾液を体表面に塗布するという行動を起こすが、この両者がどのように調和して発現するのかを明らかにするのが本研究の主たる目的であり、以下のような成果が得られた。1.局所加温を行なうと唾液塗布行動の誘発されるラットの後視床下部からも局所脳温に応答するニューロンが記録され、そのあるものは高い温度閾値を示した。2.前視床下部加温時に著明な放電頻度の増加を示すニューロンが延髄の唾液核近傍で見いだされた。視床下部からの遠心性信号によるものと考えられる。3.加温により唾液分泌の起こる視束前野・前視床下部両(POAH)の左右を独立に加温した所、一側のPOAH加温で同側の唾液腺からの分泌が著明に増加した。温熱性唾液分泌の遠心性信号はPOAHから同側優位に唾液腺に達していると思われる。4.高環境温下で定常的な温熱性唾液分泌が見られる状態で左右腹胸部一側の皮膚温を冷却、加温したところ、両側の唾液分泌が同じように減少、増加した。左右皮膚からの温度情報は統合されたのち唾液分泌の系に伝えられるものと思われる。5.環境温4、24、34℃においてラットにトレッドミル上を走らせ運動強度と体温上昇の関係を調べたところ、相対的運動強度に比例した体温上昇がみられた。6.卵巣摘出ラットのスライス標本では温感受性ニューロンはプロゲステロンによって抑制された。卵巣摘出後エストラジオールを投与したラットの標本ではプロゲステロンの効果が逆転した。
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