研究課題/領域番号 |
62480125
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
折井 豊 京都大学, 医学部, 助教授 (60028149)
|
研究分担者 |
佐野 晴洋 滋賀医科大学, 学長 (60025533)
吉永 侃夫 京都大学, 医学部, 助手 (30025663)
川西 正祐 京都大学, 医学部, 講師 (10025637)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
キーワード | ヘム分解 / ハイドロキシプロトヘム / NADPH-チトクロムC還元酵素 / 光増感剤 / 一重項酸素 / チトクロム酸化酵素 |
研究概要 |
均一に精製したヘムオキシゲナーゼ(HO)、NADPHーチトクロームC還元酵素(CR)と化学合成したオキシプロトヘム(OPH)の各種異性体を用いて再構成実験を行い、生成物をHPLCにより同定した。その結果を要約すると、OPHはα型に特異的にHOとCRさらにNADPHに依存してビリベルディンに開裂する、そのときのKmおよびVmaxの値からαーOPHはプロトヘムからビリベルディンへの反応中間体と想定することに何ら矛盾は生じなかった。さらに細部に亘ると次のことが考察された。(1)差スペクトル分析で、HOを欠くかα型の異性体を基質とした時のようにOPHからビリベルディンへの開裂反応が順調でない時にのみベルドヘモクロームのピークが検出され、これが開裂反応の中間体とする考えに適合した。この考えに立つと、(2)HOを欠いた系でもベルドヘモクロームのピークが検出できたことからHO自身はαーOPHからベルドヘモクロームへの反応に関与していない可能性が示唆された。(3)しかし、HOはベルドヘモクロームからビリベルディンへの反応には関与していることは明らかであり、さらに先に述べた基質および開裂部位の特異性の差とこれまでの知見とを併せて考えると、HOはプロトヘムからαーOPHに至る過程でその水酸化反応および開裂部位決定にも関与していると考えられる。 チトクローム酸化酵素精製標品をprotoporphyrinIX、coproporphyrinIII、hematoporphyrinIXの存在下で光照射すると、100%、20%酵素の共存では同様に失活が起こった。しかしアスコルビン酸共存下での光照射では、ポルフィリンの分解が顕著で、この分解産物の光増感効果の低下が、酸化酵素の失活を和らげたものと考えられる。失活した酸化酵素では、還元剤による還元率が低下し、また一酸化炭素との反応性の低下などから、一重項酸素によるヘムの分解が示唆された。
|