研究課題/領域番号 |
62480127
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
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研究分担者 |
上田 夏生 徳島大学, 医学部, 講師 (20193807)
林 陽子 徳島大学, 医学部, 助手 (60035441)
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キーワード | リポキシゲナーゼ / プロスタグランジン・トロンボキサン / ロイコトリエン / リポキシン / モノクローン抗体 / 白血球 |
研究概要 |
リポキシゲナーゼはアラキドン酸のような不飽和脂肪酸を酸素添加して、そのペルオキシ生成物からプロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンのような生理活性物質が生合成される。動物組織に存在するこのようなリポキシゲナーゼの、酵素蛋白の実体とその触媒能を取明し、さらに、酵素の動態とその調節機構を、病態発生機構との関連で研究することを目的として、前年度に引続いて研究を進めた。 1)リポキシゲナーゼの酵素学的研究:免疫親和性クロマトグラフィーで生成した5ーリポキシゲナーゼには、5ーオキシゲナーゼ活性とロイコトリエンA合成酵素活性があるが、アラキドン酸の5ーヒドロペルオキシ体あるいは5ーヒドロキン体と反応させると、それぞれの6Rーヒドロペルオキシ誘導体を生じた。このように6Rーオキシゲナーゼ活性をもつことが示された。 2)特異的阻害剤の研究:昨年度に開発した5ーヘキシルオキシサ-シリオール4'ー燐酸塩について、脳虚血に伴う胸浮腫に対する効果を検討し始めているが、末だ結論に至っていない。 3)免疫組織化学的研究:昨年度の酵素免疫測定法による研究に引続いて12ーならび5ーリポキシゲナーゼに対するポリクローン抗体を調製し、それぞれの組織化学的検索を始めた。12ーリポキシゲナーゼはブタの白血球のうち、顆粒球と単球の細胞質に局在が認められたが、リンパ球には探知されなかった。白血球の他に、酵素免疫造定法で酵素の探知される小腸・脾・卵巣・肺などを組織化学的に調べると、実質細胞には12ーリポキシゲナーゼは探知されず、浸潤白血球や組織の肥満細胞が染色された。ただ、ブタ下垂体前葉では酵素免疫測定法でかなりの量の12ーリポキシゲナーゼが探知され、組織化学的にも顆粒をもつ実質細胞が染色された。5ーリポキシゲナーゼについても、同様の検討を進めている。
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